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岩波書店の腐れぶりが半端ない件

 岩波書店の腐れぶりが半端ない件。

 首都圏労働組合 特設ブログ:「岩波書店、「解雇せざるをえない」通知の継続を宣言(5月24日 対岩波書店団交記録)」
 http://shutoken2007.blog88.fc2.com/blog-entry-37.html

 というわけで、板垣竜太氏・鵜飼哲氏ら「岩波書店の著者」に倣って、「岩波書店の読者」有志による抗議を提案します。なお、「岩波書店の読者」の範囲ですが、岩波上層部による「岩波書店の著者」の定義に従い、「岩波書店の本を1冊でも読んだか、または、『世界』等の岩波書店の雑誌で何回か記事を読んだ人」とさせていただきます。例えば岩波少年文庫の『モモ』を読んだことがあれば「岩波書店の読者」です。

 近日中に抗議文のサンプルを作成して、呼びかけを行いますので、よろしければぜひご協力ください。

 
【追記】 岡本厚『世界』編集長の共著『生存権――いまを生きるあなたに』(立岩真也・尾藤廣喜・ 岡本厚、同成社、2009年)より抜粋(強調は引用者による)。


岡本◎ 僕は長く雑誌やってて感じるんだけど、例えばひどい状況のところにルポに行って、こんなに悲惨だっていうような訴えは、最近はもう有効性をもたなくなっているように思う。なぜかというと、読者もほとんど悲惨な状況だから。JRではこんなひどいことが起きてる、キャノンではこういうことが起きてる、学校ではこんな強制が行なわれているとかいくら言っても、俺たちだってひどいんだよ、と。〔中略〕

 自分たちの内部でも、雪印だの不二家だのもそうだけれど、企業は表だけはちゃんとした顔をしているけれど、中はリストラをしてコストを下げに下げてしまっているので空洞化が甚だしくなっている。船場吉兆なんか典型でしょう。包み紙は立派だけれど、中身はガラガラ。働いている人が生存権を脅かされているような状況では、良心をもって職務にあたることなんてできないよね。(pp.112-113)


 「俺たちだってひどいんだよ」「包み紙は立派だけれど、中身はガラガラ」って、そりゃ岩波書店そのままですな。


岡本◎ 〔中略〕このままいったら、働く人がどんどん少なくなっちゃうんだから、移民を導入するか、もっと女性や老人たちを労働市場に入れるしかない。とするなら、いずれにせよ、この社会がもう少し生きやすいところにならないと、移民だって定着してここで子どもを育てようという人は増えないと思う。あるいは女性だって、男性もそうなんだけど、もっと気持ちよく働いてもっと楽しく生きられるところじゃないと、子どもを生んで育てようっていう気にもならないだろう。(pp.97-98)


 自分たちは育児・介護休業法すら守ってないくせに、どんだけ上から目線ですか。


岡本◎ 日本の対北朝鮮政策が間違えてるのは、経済制裁をすれば相手は言うことを聞くだろうという発想だね。〔中略〕そもそも困らせたら言うことを聞くだろうっていう考えそのものが間違えてる。それはたぶん自分の似姿なんだろうね。日本は、自分たちなら困らされたらきっと言うことを聞いちゃうと思うんだな。

 だけど一方で、全然発想が違う人たちがいるということを知らなければならない。イスラエルがあれほどひどい攻撃をして制裁をして、おびただしく殺したり逮捕したりしても、パレスチナの人々は、絶対に服従しない。イラクの人々もそうだよね。(p.122)


 で、(岡本氏を含む)岩波書店上層部や岩波書店労働組合幹部の皆さんは、これだけ弾圧をエスカレートさせれば、自分たちとは「全然発想が違う」金光翔さんを円満に自主退職させられるだろうっていうお考えなんでしたっけ?いや失礼、特に弾圧をされているわけでもないのに自ら進んで<佐藤優現象>を牽引していらっしゃる「岩波原理主義者」におかれては、よもやそんなことはないですよね?

「電力会社に群がる原発文化人」に群がるリベラル・左派メディア

 連休前からしばらくバタバタしていて、ブログの更新が滞ってしまったが、この間にもリベラル・左派メディアの腐乱は着実に進行していたようである。『週刊金曜日』2011年4月15日号では「電力会社に群がる原発文化人の罪」と題する特集が組まれ、同誌社長改め編集委員の佐高信が「電力会社に群がった原発文化人25人への論告求刑」(pp.14-17)なる記事を書いている。この記事は『週刊金曜日』2011年4月26日臨時増刊号にも再掲され(▼1)@syukan_kinyobi上で絶賛宣伝中である。

 ところで、佐高のこの記事の後には、(佐高の意向を汲んで)編集部が作成した(「原発文化人25人」を含む)「電力会社が利用した文化人ブラックリスト」が2ページ(pp.18-19)にわたって掲載されている(これも4月26日臨時増刊号に再掲され、同様に@syukan_kinyobiで絶賛されている)。さっそくリストを拝見してみよう。

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 ↑↑↑よく見えないので拡大してみよう。↓↓↓

kinyobi20110415_sato.jpg

 ・・・・・・・・・『週刊金曜日』は「電力会社が利用した文化人」として自ら認定する佐藤優を散々重用しておきながら、そのことを一片も自己批判せずに、「反原発」を得意気に謳っているのであった。まったく驚愕的なおめでたさである。もちろん、このおめでたさは「岩波原理主義者」たちのそれに通じるものである。

 ちなみに、第45回「原子力の日」記念シンポジウムにおける佐藤の発言(の一部)は、日本原子力文化振興財団のサイトで確認することができる。ざっと観察しておこう(強調は引用者による。以下同様)。


佐藤 ロシア人に言われたのですが、「日本で原子力発電の依存が三二%くらいあることを、何でもっと積極的に使わないのだ。中国や韓国、北朝鮮、IAEAにしても常に日本は核兵器をつくる可能性があるのではないかと見ている。明かに能力はある。しかし原子力発電に三〇%も依存している国がもしそんなことをして、今のNPT体制の下でウランを買えなくなったら、産業が完全に崩壊してしまう。だから日本は核保有しない。なぜこういう説明をしないのだ」と。確かにそうだなと思ったことがあります。



佐藤 原子力の平和利用の問題は国家の根幹で、これなしに生きていけないわけですから、もう少し冷静に議論をする。そして、アレルギーがある人のところに切り込んでいく努力をする必要があると思うのです。その場合に有識者がちょっとだけ勇気をもつ必要がある。納得してくれる人がいる居心地の良いところでだけで話をするのではなく、納得しない人のところに出ていって、「こうじゃないのか」と。
そして日本の技術者、専門家のレベルは高いわけですから、その人たちを信頼する。信頼する感覚はやはり政府がきちんとつくっていかないといけないし、マスコミも国民が興味をもつ話を書かないといけないと思うのです。



佐藤 〔「原子力の必要性や安全性」に対する「漠然とした信頼感」を〕打ち立てなければ、国家と日本人は生き残れない。日本の国はだらしないように見えますが、コンセンサスをつくろうという内側からの力が働いてくる国なのです。アジアの中で唯一植民地にされなかった国です。こういう国であるにもかかわらず、今、ちょっとセンサーシステムが鈍っている。


 財団法人 日本原子力文化振興財団:「原子力文化 2008年12月号 特集」
 http://www.jaero.or.jp/data/03syuppan/genshiryokubunka2008/tokushu/bunka0812tokushu.html

 佐高は『週刊金曜日』2011年4月1日号のコラム「編集委員から東日本大震災で被災された方々へ」(4月26日臨時増刊号に再掲)で、「原発文化人を徹底糾弾する」として、「養老孟司、茂木健一郎、弘兼憲史、荻野アンナ、幸田真音、勝間和代、森山良子、渡瀬恒彦等々、ノーテンキな原発おじさんや原発おばさんだが、私はこれらの人間を許すことができない。彼らは福島原発の事故現場に行って率先して放水に協力するだけでなく、事故のために避難しなければならなかった住民に深く謝罪すべきだろう」と述べている。

 上記の佐藤の発言は、到底「ノーテンキな原発おじさんや原発おばさん」では済まされない醜悪な代物であるが、もちろん、『週刊金曜日』編集部にとっては、佐藤および佐藤を重用する『週刊金曜日』は、あらかじめ免罪されているらしいのであった。冒頭特集号の編集長後記を読んでみよう。


 ほとんどのメディアが企業広告に支えられている。広告も情報などと言う輩もいるが、言論にとって広告費は、時にウランやプルトニウムである。一見「効率的」「安定的」だが、言論を侵蝕する猛毒だ。『週刊金曜日』を原子力によって動かすつもりはない。今週号では電力会社のPRマネーを食ってきた人、原子力を推進してきた人を批判した。ただ異論を承知で言うならば原発の危険性を認識して原子力推進を公言してきた一部の輩の理屈は通っている。在日米軍や死刑制度への賛成論と同様、到底受け容れられないが、理屈の先に横たわる価値観こそ問題視したい。一方で原発は安全・クリーンと発言したり、リスクから目をそらしたり、それ以前にリスクに気づかないで、原発神話に加担してきた連中は情報発信者として構造的に重大な欠陥を抱えている。あなたの感性や、放射線のように可視化困難な言説は今後も社会に深刻なリスクを拡散させていくだろう。無責任な言論活動をした輩は早く運転を停止していただきたい。危なすぎる。(平井康嗣)


 週刊金曜日 編集長ブログ:「ほとんどのメディアが企業広告に支えられている。」
 http://www.kinyobi.co.jp/henshucho/articles/kouki/20110415-843.html

 なかなかお茶目な文章であるが、おそらく最大の見所は、平井編集長が「原発の危険性を認識して原子力推進を公言してきた一部の輩の理屈は通っている」として、そうした人々と、「原発は安全・クリーンと発言したり、リスクから目をそらしたり、それ以前にリスクに気づかないで、原発神話に加担してきた連中」とを区別した上で、前者の社会的責任を(相対的に)軽減ないし無化している点だろう。平井編集長の「理屈」からすれば、もし佐藤が「原発の危険性を認識し」た上で「原発推進を公言してきた」のであれば(上の発言からはとてもそうは思えないが)、佐藤は「情報発信者として構造的に重大な欠陥を抱えている」「原発神話に加担してきた連中」ではなく、「社会に深刻なリスクを拡散させていく」「無責任な言論活動をした輩」でもないのだから、「運転を停止」する必要もない、したがって佐藤を重用している『週刊金曜日』も自己批判などする必要はない、ということになりそうである(▼2)

 『週刊金曜日』のこの論理を一般論に拡張すれば、ある言説や政策にまつわる「危険性」を「認識」していることが、それに加担する人物の社会的責任を(相対的に)軽減するということになるだろうが、こうした論理は、端的に言って、侵略の「リスクに気づかないで」アジア侵略に「加担してきた連中」も、侵略の「危険性を認識して」アジア侵略を「公言してきた一部の輩」も、侵略される側からは見分けがつかないという事実をスルーすることによってのみ成り立つものではないだろうか。

 もっと言えば、平井編集長は「原発の危険性を公言して原子力推進を公言してきた一部の輩の理屈は通っている」とは言っていないのだから、「原子力推進を公言してきた」人物が、「原発の危険性を認識して」いたかどうかは、本人の(事後的な)自己申告ないし『週刊金曜日』などの「反原発」リベラル・左派メディアの判断によって左右される、ということにもなりかねない(したがって、ここに佐藤が含まれる余地が生じるわけである)。賭けてもよいが、<佐藤優現象>を積極的に推進することによって「社会的に深刻なリスクを拡散させ」、「無責任な言論活動」を続けてきた『週刊金曜日』が、経営破綻ではなく(すでに経営は破綻しているようだが)、自己批判から「運転を停止」する可能性は殆どまったくないだろう(▼3)

 ところで、この間リベラル・左派メディアはほぼ「反原発」一色であり、大震災をめぐる天皇一族のパフォーマンスについても、口先ですら殆ど批判しなくなっているが、私は戦後日本における「原子力平和利用」神話の国民的浸透は、天皇制の存続なしには難しかったのではないかと思う。8・15以後、被爆者の多くが裕仁の広島・長崎訪問を歓迎し、原子力の「平和利用」を祝福したように、日本国民にとって、象徴天皇制および「原子力平和利用」神話への新たな屈服は、原爆投下を天皇制国家によるアジア侵略の帰結として捉える歴史認識を拒み、天皇(制)を免罪することで自らの侵略責任を回避しようとする欲望に下支えされていた(いる)からである。中曽根「大勲位」は、天皇制と「原子力平和利用」神話の、この結託を見事に体現していると言える。次回は2010年代の大日本帝国について考える。


【追記】 『週刊金曜日』(佐高信)の「原発文化人ブラックリスト」については、「一撃筆殺仕事人:佐高信先生追っかけブログ」の記事が傑作なので紹介する。未読の方はぜひ全文をお読みいただきたい。


 4月15日号週刊金曜日、完売店舗も多かったようですがその特集の内の一つの「原発文化人25人アンケート」「電力会社が利用した文化人ブラックリスト」がちょっと話題になりました。

佐高信さんもそれに対する「論告求刑」を発表されましたが、佐高信さん自身も東京電力福島第二原発から協賛を受けていた、その立地自治体である福島県富岡町の観光協会主催の「桜にまつわる想い出の手紙」コンクール、「桜文大賞」の選考委員を勤めておられた ことが少し話題になりましたね。

まぁそれが「原発文化人」にあたるかどうかは議論を呼ぶところではあります。そしてそれに関連して少し前に月刊誌「創」5,6月号での原発PR協力した漫画家の弘兼憲史さん批判に関連して、佐高信さんがナチュラリストのC.Wニコルさんを「原発文化人、原発安全PR文化人」に認定したところ、ニコルさんから抗議、謝罪訂正要求が出ていることも話題になっています。


 一撃筆殺仕事人:佐高信先生追っかけブログ:「週刊金曜日「電力会社が利用した文化人」考」
 http://ameblo.jp/sataka/entry-10878977711.html


(▼1) 同号の「巻頭言」(平井康嗣編集長執筆)には次のようにある。


 今回の臨時増刊は『週刊金曜日』で過去に掲載された記事を中心に再編集しています。「原発震災」を特集した本年三月二五日号の掲載記事が多いのはこの号が売り切れてしまい、希望される方に届けられなかったからです。


 後述するichigekiさんのブログ記事によれば、「週刊金曜日は震災以来完売続き」であるらしい。同じく原発特集を組んだ岩波書店の『世界』2011年5月号も「緊急増刷」されたそうなので、リベラル・左派メディアの自己陶酔ぶりはますます手がつけられなくなるだろう。

(▼2) 「原発の危険性を認識して原子力推進を公言してきた一部の輩の理屈」とは、結局のところ「安全な原発推進論」を肯定する論理に収斂すると思われる。


今回の小佐古の政府批判に対して、「これで小佐古氏は『原子力村』を追われることになるのではないか」と心配している人たちもいるが、そんなことにはならないと私は思う。エネルギー政策に関して、旧「原子力村」はいくつかに分かれると思うが、反原発論を含めてもっとも世間の支持を得るのは、おそらく「『安全な原発推進』村」だろうと彼らは予想しているのだ。そして、その入村資格を得ようと彼らは必死になっている。


 kojitakenの日記:「武田邦彦、小佐古敏荘、江川紹子らに頭痛がする」
 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110430/1304147154

 もっとも、「危険な原発推進論」が「世間の支持を得る」はずがない以上、原発推進論は常に「安全な原発推進論」であるとすら言えるのだが。

(▼3) むしろ『週刊金曜日』上層部はあからさまに「原発震災特需」を目論んでいるように見える。


現在、定期購読者数は一万六〇〇〇部を割り込んでいます。永田町や霞ヶ関、あるいは電力会社を含めた財界に対しさらなる影響力をもつために、少なくとも二万部を達成しようと努力してきましたが、届いていません。被災された定期購読者の方も多く、瞬間的には一万五〇〇〇部を下回ることも覚悟しています。

 何としても、どんなことがあっても『週刊金曜日』の灯は絶やしません。その思いはきっと、読者の方々にも共有していただいていると思います。心よりのお願いです。お一人で結構ですので、友人、知人の方に定期購読を勧めていただけないでしょうか。もちろん、決して期待を裏切らない誌面をつくることをお約束します。

 手前味噌ながら、『週刊金曜日』が元気になることで、いつの日か、被災者の方に「春」を届けられるのではないかと思っております。

 なお、福島原発をめぐる最近の記事と過去記事を集めた『臨時増刊 原発震災』を四月二六日に発行します。こちらは書店売りです。保存版として手に取っていただければ幸いです。(発行人・北村肇)


 週刊金曜日:「金曜日から(2011/4/22)」
 http://www.kinyobi.co.jp/backnum/data/from/data_from_kiji.php?no=1963

岩波書店への電話

 岩波書店が岩波書店労働組合とのユニオンショップ協定を理由に金光翔さんを解雇せざるを得ないと通告してきた件について、本日(午前11時頃)、岩波書店総務部(03-5210-4145)に直接電話をかけたので、その様子を報告しよう。

 私が会社に尋ねようと思っていたことは、(1)岩波労組を何年も前に脱退し、首都圏労働組合に所属している金さんを、なぜ岩波労組が今さら「除名」できると会社は判断したのか、(2)首都圏労働組合員の金さんを、なぜ会社がユニオンショップ協定に基づいて解雇せざるを得ないのか、という点だった。

 最初に用件を簡単に告げて、小松代総務部長への取次ぎを求めたのだが、会議中で席を外しているとのことだったので、いつ戻るのか尋ねたところ、電話に出た社員は、会議の後も予定があってわからない、と言う。予想していたことだったので伝言を頼むことにした。ところで、伝言なのだからこちらが一方的に喋って終わりだろうと思っていたのだが、この社員は私の発言の随所で口を差し挟み、岩波書店および岩波書店労働組合を代弁する見解を明快に語ってくれた(岩波労組の中心的あるいは熱心な組合員だったのかもしれない)。結果として、なかなか興味深いやり取りになったので、この場を借りて公開しておく(録音による書き起こしではないため、以下の内容は要約を含むことをご了承いただきたい)。


――二点お伺いしたいんですが。まず一点目は、すでに岩波書店労働組合を脱退している金さんを、なぜ岩波労組が「除名」できるのか、ということですね。

「それは会社ではなく岩波労組の問題ですから。」

――ですが、会社として「除名」が正当であると考えている以上、会社には説明義務があるのではないですか?

「金氏は労組を脱退したと主張していましたが、労組は金氏の脱退を認めていませんでしたから、会社としては、労組が除名したので除名できると判断した、というお答えにしかならないと思うのですが。」


 もとから期待はしていなかったが、まったく会話が噛み合わない。


――それは会社としての見解ということですか?理由はそれだけですか?

会社の見解ですが、他にも理由があるかというお尋ねであれば、それは(小松代総務部長に)お伝えしておきます。」

――岩波労組にも「除名」理由を伺いたいので、連絡先を教えていただけますか。

それはできません。

――なぜですか?

「労組にはこうしたお尋ねがあったということはお伝えしますが、連絡先をお知らせするかどうかは労組が判断します。

――判断するとかしないとかいう問題ではなくて、連絡先を教えていただかないと困るんですが。

「つまりですね、連絡先をお知らせしてしまうと、この電話のように対応せざるを得ないわけですよ。たくさん問い合わせが来たときにも対応しなければならないわけです。」

――これだけ不当なことをしているんだから、対応する義務があるのは当たり前じゃないですか!!!

「ですから、労組がそのように判断すれば、連絡先をお知らせいたします。


 まるで意味不明である。『広辞苑』(第六版)では様々な「ことば」の概念が斬新にリニューアルされたのだろうか。


――二点目は、すでに首都圏労働組合に所属している金さんに対して、なぜ会社がユニオンショップ協定を理由に解雇せざるを得ないのか、まったく理解できないんですが。

「ちょっと意味がわかりませんが、それは首都圏労働組合の実態が不明ですから・・・」

――「意味がわかりません」!?会社との関係において労働組合であるかどうかという資格の問題は、会社に資格審査の書類を提出するかどうかとは関係ありませんよね。その点についてどのように考えているのかお伺いしたいんですが。

「なるほど、なるほど。それはお伝えいたします。」

――必ずお伝えください。

「もっとも、小松代総務部長にも岩波労組にもお電話の内容をお伝えするのは簡単ですが、折り返しお答えできるかどうかはわかりません。」

――「簡単」ではなく必ず伝えてくださいと言ってるんです!


 ・・・・・・というように、約10分にわたって不毛なやり取りが行われたのであった。ちなみに、電話に出た社員の名前は教えてもらえなかった。「個人情報」だからだそうである。会話を読み返していただければわかるように、この社員は(おそらく自分でもたいして意識することなく)会社としての立場と労組としての立場を使い分けながら応対している。これは労使一体となって金光翔さんを弾圧し、労使一体となって責任逃れを図る岩波書店(労働組合)の卑劣さを示す典型例の一つである(あくまで一つにすぎない)のだろう、と今回しみじみ実感した。


【追記】

今のところ小松代取締役総務部長および岩波書店労働組合からの返事はないが、返答があった場合には、このブログで報告する。現在、岩波書店にはどうやら「たくさん問い合わせ」が届いていると思われる。どうか引き続き抗議の声を集中させください。


電話
岩波書店総務部(03-5210-4145)

メール
voice@iwanami.co.jp
「愛読者の声」http://www.iwanami.co.jp/aidoku/form1.html

あと、
岩波書店のツイッター( http://twitter.com/Iwanamishoten )に公表されているメールにも送れるのではないでしょうか。
twitter_ad@iwanami.co.jp

 
 片山貴夫のブログ:「急報 岩波書店が金光翔さんに「解雇せざるをえない」と通告」
 http://katayamatakao.blog100.fc2.com/blog-entry-103.html

岩波書店へのメール3

岩波書店
 代表取締役社長 山口昭男 様
 取締役総務部長 小松代和夫 様
 役員各位
 社員各位


岩波書店労働組合
 執行委員各位
 組合員各位



抗議文


 岩波書店労働組合が金光翔氏を「除名」し、岩波書店が同組合とのユニオンショップ協定を理由に、金光翔氏に対して解雇せざるを得ないと通告してきたことに強く抗議します。もちろん御社および御社組合におかれては、ユニオンショップ協定に基づく解雇が、その時点で他の労働組合に所属していない労働者に対してさえ、脱退や「除名」の理由を一切問わず、法的に無効であること、このような不当解雇を強行した場合、被解雇者に対して解雇時以降の給料を支払う義務が御社に発生することなどは、過去の複数の最高裁判決からも当然ご存知のことと思います。

 御社および御社組合がこの時期にあえて金光翔さんを不当解雇しようとする背景には、裁量労働制等に関する労使協定の締結を組合側が呑むことへの「見返り」という意味合いや、対『週刊新潮』・佐藤優裁判における金さんの控訴(をめぐって御社上層部から佐藤氏に送られる「配慮」)、さらに御社および御社組合の<空気>といった異常な「社内事情」があるのだろうと推測します。

 御社ホームページ上で最近掲載された、山口昭男代表取締役社長による「東日本大震災関連のお知らせ」には、次のようにあります。

 「被災地の方々がいま必要とされているものは何か、復興に向けて協力できることは何か――岩波書店は、出版社としてできる限りのことを追求したいと考えています。そして、日本社会の復興、再建に向けて、全力を尽くす決意です。」

 「小社創業者岩波茂雄は、厳しい状況にあるときこそ「岩波書店のやるべきことはたくさんある」と述べました。その決意と覚悟が岩波書店の生き方を支えています。我々もその精神を受け継ぎたい。岩波書店は、これまで多くの刊行物を通して、よりよい社会の建設を求めて発信を続けてきました。すべての人びととともに、この日本をどうするかを考えていきたい。志をいっそう高く掲げ、社会を見つめ、人びとを励ます本を出し続けていきたいと念じています。」

 <佐藤優現象>を強力に推進してきた御社が、その「志をいっそう高く掲げ」る「本を出し続け」る――「出版社としてできる限りのことを追求」する――ことは、端的に社会的悪影響をもたらすだけだろうと思いますが、この「お知らせ」に、<佐藤優現象>を粘り強く批判し、それを解体しようと努めている金光翔さんに対して、労使一体で弾圧するべく「全力を尽くす」御社の「決意と覚悟」を読み取ることは、決して私一人の強引な解釈ではないはずです。御社が「すべての人びととともに、この日本をどうするかを考えていきたい」と言うとき、その「すべての人びと」には明らかに金さんが含まれていませんが、そうであるなら、侵略戦争や植民地支配を可能にした日本国家・日本社会のあり方を根本から否定/克服し、変革していこうとする個々人もまた、御社と「ともに」ある「すべての人びと」へと包摂されることを拒むでしょう。

 それにしても、何年も前に御社組合を自主的に脱退し、首都圏労働組合に所属している金さんを今さら「除名」するという御社組合のカルトぶりにはまったく呆然とさせられるほかありません。けれども何より、金さんの主体性を徹底的に貶める、このような集団的暴力は、在日朝鮮人として自己の思想・良心の自由を守るために、やむなく『世界』編集部からの異動願いを出した金さんを、『世界』編集長が「持て余し」て「異動させた」とする『週刊新潮』記事による誹謗中傷と、あまりにも似すぎてはいないでしょうか。何度でも繰り返しますが、御社および御社組合が、表立って佐藤氏を擁護し、在日朝鮮人への差別と弾圧を公然と煽動する右派や排外主義者たちよりも、より一層卑劣な振る舞いをしていることは、残念ながら疑いの余地のない事実であると考えざるを得ません。もっとも、社員に対してここまで不当な通告をできるほど厚顔な企業も、私は他に知りませんが。

 金光翔さんに対する「解雇」および一切の不利益な処分を行わないことを、法に基づいて強く要求します。 


以上



2011年4月10日

【転載】急報 岩波書店が金光翔さんに「解雇せざるをえない」と通告


  岩波書店労組は、金光翔(キム・ガンサン)さんの「除名」を愚かしくも決め(金さんは以前から脱退の意思を表明していたのに!)、岩波書店は、(岩波書店労組との)ユニオンショップ制の労働協約があるので「解雇せざるをえない」と、金さんに通告してきました。

 ユニオンショップ制は、これまでも、執行部の路線に反対する組合員を職場から排除する為に悪用されてきました。
 金さんの所属する首都圏労働組合が、岩波書店の職場に1人しか組合員のいない労働組合であっても、その団結権は、何者によっても否定することのできない権利です。ユニオンショップ制もしくはそれに類する労働協約が、岩波書店労働組合と岩波書店との間に締結されていたとしても、それに基づいて金さんを解雇する義務も権利も、岩波書店側には無いのです。金さんに対して「解雇せざるをえない」との通告書類を送ってきたことは、きわめて不当なことであり、絶対に許されることではありません(なお、使用者との関係において、労働組合であるか否かという資格の問題は、労働組合が労働者自身によって自主的に運営されているということだけが必要なのであって、使用者の側には、労働組合としての資格審査の「資料」の提出を求める権利はありません)。

 そもそも問題の本質は、“平和と人権を尊重する”ことを社会に向けて掲げている岩波書店が、メディアで排外主義・国家主義そのものの主張を公然と行っている論客・佐藤優を厚遇して使っていることに対する、金さんの(当然の)批判を、岩波書店が労使一体となってリンチそのものの弾圧を行っていることです。貴重な内部告発者に御用組合が会社といっしょになってイジメを行っているのです。
 しかも、岩波書店労組は出版労連に加盟している(共産党員が指導部に居る)“左派”的労組です―それにも関らず、こういう卑劣なことをしているのです!―[岩波書店などの出版・メディア業界の問題だけに限らず]私は、(今の)日本のこれほどまでひどい現状には、[体制側からの改憲攻撃だけでなく]日本左翼の底知れぬ堕落と腐敗も大いに関係していると思っています。

 岩波書店に強く抗議するとともに、私たちの仲間である金さんに「解雇」および一切の不利益な処分を行うことのないように強く要求します。

 岩波書店に抗議の声を集中させましょう!


電話
岩波書店総務部(03-5210-4145)

メール
voice@iwanami.co.jp
「愛読者の声」http://www.iwanami.co.jp/aidoku/form1.html

あと、
岩波書店のツイッター( http://twitter.com/Iwanamishoten )に公表されているメールにも送れるのではないでしょうか。
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 片山貴夫のブログ:「急報 岩波書店が金光翔さんに「解雇せざるをえない」と通告」
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