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アジアプレスは北朝鮮に謝罪しないのか?

 石丸次郎氏がZEDさんのブログ記事の削除と謝罪を要求している(いた?)件について、私が3月1日にアジアプレス(野中章弘氏および石丸次郎氏宛て)に送ったメールは、3月4日に石丸氏から「現在非常に多忙にしておりまして、来週、お返事を差し上げたく存じます」との短信をいただいて以降、どうやら放置されてしまっている模様である。アジアプレスの朝鮮民主主義人民共和国関連報道を分析するために、『サンデー毎日』の連載「朝鮮半島を読む」のバックナンバー(No.1~346)を(図書館で)十数時間かけて通読した身としては、仮に返事がいただけないとすれば大変残念なことである。

 「朝鮮半島を読む」をめぐる私の考察はいずれ改めて掲載するとして、今回は石丸氏や野中氏に以前からずっと尋ねたかったことを書いておこう。――「アジアプレスが総力を挙げて取り組」んでいた(▼1)はずの「朝鮮半島を読む」には、科学的「事実に基づかない誹謗中傷があり、具体的事実を摘示することにより」、朝鮮民主主義人民共和国(政府)の「社会的評価を低下させる多くの記述が存在」する可能性が高いと考えられるが、この件に関してアジアプレスが当該記事(多数)を訂正し、朝鮮民主主義人民共和国(政府)に謝罪しようとしないのはなぜなのだろうか?

 周知のように、朝鮮民主主義人民共和国が横田めぐみさんのものとして提供した遺骨が、2004年12月に日本側の鑑定で別人のものであると発表されてから、日本国内の朝鮮民主主義人民共和国バッシングは一層深刻化し、(一時弱まりかけていた)経済「制裁」論が急激に高まっていった。けれども、非周知のように(?)、英国の科学雑誌『ネイチャー』は、最も肝心なこの鑑定結果が科学的検証を経ていない事実を明らかにしている(▼2)。『ネイチャー』記事は日本国内では殆ど黙殺されたが(▼3)、この問題に関しては、2005年2月8日に細田博之官房長官(当時)が会見で「(記事は)きわめて不十分な表現で、言ってもいないことも書かれた」と発言したり、町村信孝外相(当時)が衆議院外務委員会での首藤信彦民主党議員の質問に対して「(記事については)いちいち言う必要はない。鑑定結果に何らかの影響を及ぼすものではない」(『朝日新聞』2005年5月10日付記事)と答弁したりしているので、マスコミが知らないはずはない。まして「総力を挙げて」朝鮮半島情勢に「取り組む」――「その的確な情報収集力と分析力には定評がある」――アジアプレスが知らないなどということはあり得ない。

 というわけで、この「ニセ遺骨」問題に関するアジアプレスの記事を読んでみよう(強調は引用者による)。


1.『ネイチャー』記事報道前


 北朝鮮が横田めぐみさんのものとした「遺骨」は別人の物だった。偽の遺骨を提出したのは、火葬すればDNA判定ができないと高をくくっていたのだろうが、結果は最高指導者・金正日総書記の顔に泥を塗るようなもの。日朝正常化交渉への影響も避けられず、金正日政権は自ら墓穴を掘った。打撃は大きいと言わざるを得ない。

 なぜ外交交渉でウソやデタラメが出てくるのか。それは金正日の意向なのか。北朝鮮内部の意思決定はどうなっているのか。〔中略〕(p.46)

 偽の遺骨によって、日本世論の強硬化は避けられず、経済制裁論もいよいよ力を得て、声を大きくするだろう。(p.47)


 石丸次郎「制裁発動に追い込まれる日本政府」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2004年12月26日号)


 先週、北朝鮮は横田めぐみさんの遺骨が別人だった問題で、「日本側の鑑定結果を受け入れることも認めることもできない」と日本へ正式回答を伝えてきた。「鑑定結果は捏造」というものだ。これで経済制裁論が高まるのは避けられない。(p.46)


 野中章弘「韓国でも繰り返される拉致犯罪」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2005年1月2日号)


 横田めぐみさんのものと北朝鮮が提示した遺骨が、別人のものであるとのDNA鑑定結果が12月8日に公表された。6日間の沈黙を経て、北朝鮮当局は外務省スポークスマン談話で、鑑定結果に対する公式見解を発表した。談話の文面は一見、日本の鑑定結果への反発と強硬姿勢で貫かれているようだが、よく読むと当惑と苦渋に満ちたもので、金正日政権が相当うろたえていることが伝わってくる。一部を引用してみよう。

「夫が自分の妻でもない別人の遺骨を日本側に手渡したということは想像だにできない。日本側の主張通り、彼が他人の遺骨を日本側に渡したとすれば、一体そこに何を期待するのかということである」

 科学的根拠を突きつけられてオロオロしている様子が目に浮かぶようだ。〈遺骨を渡したのは政府ではなく、あくまで夫だ〉と、まず政府の責任を回避してみせ、〈その夫が他人の骨を渡すなんて、我々も信じられないのだ〉と、他人事のように驚いてみせている。そして鑑定結果については、

「特定の目的のために事前に綿密に企てられた政治的脚本に基づくものであるとの疑惑を抱かざるをえない」

と、受け入れがたいものとしているが、なんとも婉曲な言い回しである。遺骨がニセモノだと北朝鮮外務当局が知っていたのか、「特殊機関」(工作機関)からはホンモノと言われていたのかわからないが、言いがかりにしても、力がない。

 そして、〈日本の極右勢力、反共団体、ブッシュ〉を持ち出して「反朝鮮策動」だと、一応吼えてみせ、核問題をめぐる6カ国協議への不参加をちらつかせる。最後は、「対朝鮮『制裁』が発動されれば、われわれはそれをわが国に対する宣戦布告と見なし、強力な物理的方法で即時対応するであろう。これによって朝日関係と地域情勢に生じる破局的な結果に対しては、全面的に日本極右勢力が負うことになろう」

 と、経済制裁発動を牽制してみせた。「遺骨捏造」によって日本の世論が一気に強硬に傾いてしまったことを見て、事態が経済制裁発動にエスカレートすることを警戒してのことだと受け取れる。だが、それは経済制裁による物質的ダメージを恐れているのではなく、日本が経済制裁に踏み込むことで、国交正常化がはるかに遠のいてしまうことを恐れてのことだろう。(p.46)

 協議中断は、日本側にとっては拉致解決が膠着してしまうことになり、北朝鮮にすれば、国交正常化の暁に手に入れられる巨額の援助資金が遠のくことを意味するわけだ。〔中略〕

 北朝鮮は、横田めぐみさんとは別人のものだった遺骨の返還と、鑑定結果の提示を求めてきた。ボールは北朝鮮側に投げられた。日朝正常化交渉を進められるか、頓挫させるか、金正日政権は岐路に立たされている。(p.47)


 石丸次郎「「偽遺骨」否定談話に北朝鮮の苦渋」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2005年1月9日号)


 最後に、私は横田めぐみさんの遺骨捏造問題についてもA氏に聞いた。

「『拉致問題』という言葉がテレビや新聞などにぽつぽつと出るようになった。だが、いったい、いつ誰が誰を拉致した問題なのか、報道も説明もない。遺骨がニセ物だった? 今初めて聞いた。酷い話ですが、人民は何も知らされていませんよ」

 年頭から暗たんたる気持ちで電話を切った。せめて、凍りつく豆満江に一日も早く春が訪れることを祈ってやまない。(p.47)


 石丸次郎「「特別検閲」に凍り付く中朝国境地帯」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2005年1月30日号)


2.『ネイチャー』記事報道後


 周知のとおり、日朝両政府間の公式的な協議は昨年11月以来、約1年ぶりだ。横田めぐみさんの「偽遺骨」問題で中断していたのだ。この一年、双方非難の応酬を続けてきたが、小泉首相は「対話と圧力」という言葉を淡々と繰り返しながらも、「自分の任期中に国交正常化したい」と日朝修好の意欲を隠さなかった。ゆえに経済制裁については消極的だった。(p.46)

 02年9月の小泉訪朝で指導者が拉致を認め、謝罪したことが、日本の世論に火を付け、態度硬化を招くことになった。北側にすれば「やらずぼったくり」感が残っているのは間違いない。しかし、それもこれも、いくら冷戦下での対南工作の一環とはいえ、外国人を誘拐拉致するという常軌を逸した行動のツケである。相応の代償は払うほかない。(p.47)


 石丸次郎「日朝協議の裏で繰り広げられた事前折衝の“驚愕事実”」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2005年12月4日号)


 ここからは提言である。被害者の両親の高齢化が進んでいることに鑑み、とにかく被害者の帰国を最優先にするため、真相究明は時代に委ね、犯人引き渡しと補償については放棄する。これを、まず両国が確認した上で、「再々調査」を日朝合同で始めるのだ。実際の被害者の帰国と安否の調査については、外務省や政治家が担当するのは困難だろう。極度に縦割り構造の北朝鮮の組織にあって、拉致にかかわった特殊機関は外務省や労働党官僚の言うことなど聞かないからである。

 日本からは警察を中心に拉致問題調査の特別チームを作って平壌に送り、北朝鮮側の特殊機関と「合同調査」の形をとる。貧弱な、あるいは虚偽の死亡証拠では通用しないことは、今や北朝鮮にも分かっているはずだ。日本の調査チームが関与することで、現時点でもっとも精度の高い結果が得られるだろう。(p.43)


 石丸次郎「高齢化が進む、ああ、拉致被害者家族」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2007年4月15日号)


被害者家族に怒りと深い失望を与えたのは、あまりに貧弱、かつ虚偽の混じった「死亡証拠」を出してきたからだ。日本世論が一気に硬化して経済制裁支持に傾いたことを、北朝鮮側は当然、戦術的失敗として総括しているはずだ。(p.43)


 石丸次郎「注目! 日朝交渉は最大の山場を迎える」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2008年9月7日号)


 ・・・・・・『ネイチャー』記事報道後の記事をもう二本だけ挙げておこう。


 このような情報の不足や偏りの第一の原因は、もちろん北朝鮮が世界最強といってもいい情報鎖国であり、外部の者がなかなか入国できないことにある。

 深刻なのは週刊誌とテレビである。週刊誌は、私の実感として、新聞社系も出版社系も、第一次情報取材をめっきりやらなくなった。政府関係者や外交筋、朝鮮半島問題の専門家に聞いた二次、三次情報をつなぎ合わせて“記事”にしているケースがほとんどだ。

 民放テレビの実態はさらにお粗末だ。北朝鮮パートを担当する記者やディレクターのほとんどは朝鮮語を全く解さないし、専門的な勉強や調査をしたこともない。

 北朝鮮情勢はますます流動化していく可能性が高い。世論形成と政策に大きな影響力を持つメディアが、自覚を持ってしっかりした北朝鮮報道をするよう、求めたい。(p.43)


 石丸次郎「北朝鮮報道におけるメディアの責任」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2007年1月21日号)


 北朝鮮は依然として高い壁に覆われていて接近が容易ではない。情報の確認や検証も難しい。一方で間違っても訴えられることはない。こうして未確認情報や眉唾情報が大手を振ってまかり通り、流布してきた。テレビや雑誌の北朝鮮報道を見れば見るほど、北朝鮮理解が混乱するという本末転倒が起こっているように思う。北朝鮮報道にかかわる者は襟を正さなければならないと、自戒をこめて訴えたい。(p.43)


 石丸次郎「テレ朝「金正雲写真」誤報事件は起こるべくして…」(「朝鮮半島を読む」、『サンデー毎日』2009年6月28日号)



3.結論
 
 『サンデー毎日』の連載はすでに終了したが、石丸氏や野中氏は今からでも自らの膨大な「北朝鮮報道」を批判的に検証し、上記記事を含む多数の記事を訂正して、朝鮮民主主義人民共和国(政府)に謝罪するべきではないのか。


【参考】

 片山貴夫のブログ:「横田めぐみさん「ニセ遺骨」問題を掲載しなかった『週刊金曜日』」
 http://katayamatakao.blog100.fc2.com/blog-entry-77.html


(▼1) 「朝鮮半島を読む」の連載開始にあたって『サンデー毎日』2003年8月17・24日号に掲載された紹介文より。


 アジアプレス――。代表の野中章弘氏を中心に志あるジャーナリストが集い、アジアにこだわるなかで、世界を報じてきた。発足は1987年。この間東ティモール、アフガニスタンなどで精力的に取材活動を展開し、その的確な情報収集力と分析力には定評がある。

 その彼らがいま、照準を定めた先が朝鮮半島である。

 野中氏は言う。

「北朝鮮をめぐっては扇情的な報道も少なくありません。だが、それが何を生み出すのか……。今こそ、冷静な目が必要だと思うのです。私たちは、朝鮮半島情勢を探ることが日本の今を照射することになる、というスタンスで報じていきたいと思っています」

 本号から始まった「朝鮮半島を読む」は、アジアプレスが総力を挙げて取り組む。スクープはもちろん、毎号、読者を驚かせる内容となるのは間違いあるまい。

 ご期待いただきたい。(「アジアプレスが読む朝鮮半島情勢」、『サンデー毎日』2003年8月17・24日号、pp.38-39)


 ちなみに、連載の初回記事は野中章弘による「北に消えた工作員たち」(pp.40-42)である。

(▼2) 三度に及ぶ『ネイチャー』記事(3 February 2005 Volume433 Issue no.7025 p.445, 17 March 2005 Volume434 Issue no.7031 p.257, 7 April 2005 Volume434 Issue no.7034 p.685)の日本語訳は下記サイトから読むことができる。サイト管理人が指摘しているように、「ネイチャー誌が,この種の同一テーマをわずか2ヶ月間で3回にわたって取り上げるのは異例のこと」であると思われる。なお、『ネイチャー』日本語目次における記事タイトルは以下の通り。

――「拉致被害者のものとされる遺骨のDNA鑑定をめぐって、日本と北朝鮮が厳しく対立。」(2005年2月3日)
――「日本政府は、DNA鑑定には不確実さがあることを直視し、北朝鮮との交渉は外交手段によって進めるべきである。」(2005年3月17日)
――「拉致被害者の遺骨DNA鑑定を行った研究者が警視庁科学捜査研究所法医科長へ転職したのは鑑定結果に関する疑問封じか。」(2005年4月7日)

 「火葬された遺骨は誘拐された少女の運命を証明できない?」
 http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-02/050211Nature-asyura.htm

 「問題は科学にあるのではなく、政府による科学の問題への干渉」
 http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-03/050322asyura-nature.htm

 「もしも日本がこの方向に進み続けるなら、日本の科学の評価は根底からつき崩される」
 http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-04/050414nature.htm

(▼3) 『日刊ゲンダイ』2005年2月26日号、『週刊現代』2005年3月19日号、『共同新聞』3月26日付インターネット版、『TIME』アジア版2005年3月28日付記事、『朝日新聞』2005年5月10日付記事などで例外的に取り上げられた。

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