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Home > スポンサー広告 > 「人道的侵略」産業とシリア(1)

「人道的侵略」産業とシリア(1)

■目次:
(1) はじめに
(2) 「アラブの春」という嘘(1)
(3) サルバドル・オプション――NATO側諸国からシリアへの「死の部隊」移設作戦
(4) 「戦争賛成左翼」への道――ジルベール・アシュカルとその植民地主義的利用者たち


(1) はじめに

 リビアに続いて、「人道的介入」という名の帝国主義的侵略が、シリアに対して(も)差し迫っている。11月23日、NATOのリビア侵略を主導したフランスのアラン・ジュペ外相は、「シリア国民評議会」(SNC: Syrian National Council)――カダフィ政権を転覆した「リビア国民評議会」のシリア版――の代表と会談し、(欧米諸国でいち早く)NATOによる「人道的回廊」の設置を含めたシリアへの「人道的介入」について公的に言及し、法的にも実質的にも象徴的にもシリア国民をまったく代表していないSNCを、「我々が手を携えたい合法的なパートナー」であると誉め称えた(▼1)。

 国連人権理事会は同日、シリア各地で3月以来、軍・治安部隊による「超法規的処刑や恣意的な逮捕、強制失踪、性的暴行を含む拷問、子どもの人権侵害」が横行しているとするレポート――「シリア・アラブ共和国に関する独立した国際調査委員会の報告書」(▼2)――を発表し、12月2日、シリアに対する三度目の非難決議を採択した。12月12日には、ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官が、「約9カ月に及ぶ反政府デモへの弾圧による死者が5000人を超え」「シリアでの武力弾圧が『許しがたい状況』に陥っている」(▼3)とするデジャヴに満ちた発言を行っている。

 シリアをめぐる国連人権機関および国際人権NGOの動向は、メディアや先進諸国のリベラル・左派の対応と同じく、リビア侵略直前の状況を不気味に反復している。ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、「『戦争のような日常』:シリア・ホムス県のデモ弾圧」(11月11日)(▼4)、「『必要なあらゆる手段を使え!』:シリアでの『人道に対する罪』に関する個人責任及び上官責任」(12月15日)(▼5)などの報告書を意欲的に作成し、アムネスティ・インターナショナル(AI)も、「医療危機:シリア政府、負傷者と医療ワーカーを攻撃」(▼6)を始めとする多くの文書をリリースして、「国連の加盟国に対し、断固たる行動をとるよう」(▼7)訴えている。

 けれども、シリアの「人道に対する罪」をこぞって糾弾する、これらの人権機関の報告書は、後述していくように、もはや「人道的介入」/「保護する責任」の業界関係者によるプロパガンダと見なすべきものですらある。HRWや国際連合協会(国連のA級諮問民間団体)世界連盟を筆頭に、国際人権機関の多くは「保護する責任を実現する国際連合」(ICRtoP: International Coalition for the Responsibility to Protect)(▼8)という名実ともに凄まじい組織の参加団体であり、これらの「人道的介入」/「保護する責任」キャンペーンの加速に呼応して、12月8日、数百人規模の米・NATO軍がシリア国境に程近いヨルダン領への侵攻を開始しているようである(いわゆる「イラク撤退米軍」の一部が合流しているという)(▼9)。

 リビアの場合では、国際刑事裁判所(ICC)の報告書が依拠した主な情報源までもが、「リビア人権連盟」(LLHR: Libyan League for Human Rights)やフォックス・ニュース、CNN、CIAといった、NATOのリビア侵略を推進する組織やメディアによるものだった。「リビア人権連盟」(LLHR)は、1989年にスウェーデンで設立されたNGOで、「米国民主主義基金」(NED)の支援を受けている。「リビアの人道的戦争:証拠は存在しない」("Humanitarian War in Libya: There is no evidence")という興味深いインタビュー調査(▼10)は、ICC報告書の「証拠」にあたる(はずの)箇所が、いずれも非公開であったり、「編集済み(=削除済み)」であったり、LLHRを参照していたりする(しかも参照先のLLHRでは当の「報告書」自身が参照されている)ことで、ICCを含むこれらの人権機関やNGO、メディアが、証拠をまったく示すことなく、リビアの「人道に対する罪」を捏造していた事実を明らかにしている(▼11)。

 シリアの場合も手口は概ね似たようなものであり、シリア人の圧倒的大多数は、イスラエルや日本、ペルシア湾岸の親米独裁国家を含むNATO側諸国による「人道的介入」/「保護する責任」の履行を正当に拒否して、過去数カ月にわたって自決権を掲げる大規模なデモを繰り広げている(▼12)。

 次回から何回かに分けて、シリアに対する「人道的介入」において国際的な人権機関が果たしている役割を中心に、シリアをめぐる情勢を分析していく。登場する主な組織をあらかじめ紹介しておこう。


(1)「シリア国民評議会」(SNC: Syrian National Council)

 「リビア国民評議会」のシリア版。アル=アサド政権の転覆を目的として2011年9月にトルコ・イスタンブールで結成される。当初のメンバーは260名以上とされるが、指導者のブルハーン・ガルユーン(Burhan Galioun:フランス)や高官のアブドゥルバースィト・サイダー(Abdulbaset Seida:スウェーデン)を筆頭に、多くは欧米在住の亡命者で、一部は名義貸しによる名ばかりメンバー。「リビア国民評議会」やアラブ連盟からシリア国民の正式な代表として「承認」されているが、シリア国民にはほとんどまったく承認されていない。NATO側諸国の忠実すぎる代弁者として、NATOに対して、自国の軍事基地(シリア空軍基地およびタルトゥースのロシア海軍基地)の地図まで差し出して、自国民への空爆を執拗に要請している。12月6日にはヒラリー・クリントン米国務長官との会談を行うなど、リビア新政権のシリア版を目指して邁進中。(▼13)(▼14)


(2)「シリア国民調整委員会」(SNCC: Syrian National Coordination Committee)

 シリアの反体制派による組織。SNCとよく似た略称だが、SNCCは諸外国の介入に一貫して反対し、政権の転覆ではなく改革を要求して、非暴力の反政府デモを行っている。シリア国内では一定の支持を得ているが、NATO側諸国には政治的に黙殺されており、(アラブ連盟の本部がある)エジプト・カイロに使節団を派遣した際にはSNCの支持者に取り囲まれてリンチまで受けている。(▼14)


(3)「自由シリア軍」(FSA: Free Syrian Army)

 (元)リビア反政府軍のシリア版。SNCと協力関係にあり、アサド政権転覆のための軍事支援をNATO側諸国に要請している。指導者は7月にシリア空軍を離反したリヤード・アル=アスアド(Riyad al-Asad)だが、主要メディアの報道とは異なり、メンバーの多くはシリア軍出身の転向者ではなく、主に米欧イスラエルの諜報機関が武装してきたNATOの傭兵である。後述する米国の「サルバドル・オプション」――「死の部隊」移設作戦――の受け皿になっており、11月にはリビアの「新政権」が600人の兵士をトルコ経由で派兵し、FSAに合流させている。NATO側諸国のメディアに登場するシリアの「(平和的な)反政府デモの参加者」の一部(多く)は、しばしばマシンガンで武装した、このFSA兵士たちである。(▼13)(▼15)(▼16)(▼17)


(4)「シリア人権監視団」(SOHR: Syrian Observatory for Human Rights)

 「リビア人権連盟」(LLHR)の即席コピー。主要メディアや国連機関、HRWなどの国際人権団体の情報源として最も重宝されているシリア在外新設NGOの一つ。サウジアラビアの王政を支持しながら民主主義を賛美するという怪しげなイデオロギーを掲げている。拠点は英国。(▼14)


(5)「現地調整委員会」(LCC: Local Coordination Committees)

 同じく主要メディアや国際人権機関が情報源として多用している組織。SNCの下部団体で、アサド政権の転覆が目的であることを公言している。メンバーの大半は亡命者で、13名はSNCのメンバーとされる。シリア在住メンバーの有無は不明。その他もほとんど不明だが、メンバーないし協力者で、ベイルートに亡命中の「サイバー・アクティビスト」のFacebookには、NEDやHRW、在シリア米大使館が「関心事項」として紹介されている。(▼18)


(6)アラブ連盟(AL: Arab League)

 現在では、NATOのリビア侵略を支えた「湾岸協力会議」(GCC: Gulf Cooperation Council)――参加国はサウジアラビア、UAE、クウェート、バーレーン、カタール、オマーン――が主導権を握る親欧米組織に変質し、シリアの加盟資格の停止、SNCの承認、シリアに対する「制裁」の実行、NATOによる「飛行禁止空域」設定の支持などを通じて、シリアへの干渉・弾圧を強めている。11月25日現在、加盟国はいずれも自国民に対してシリアを退避するよう勧告している。(▼14)(▼19)



▼1 Azeri Press Agency, France calls for humanitarian zone in Syria, 23 November 2011, http://en.apa.az/news.php?id=160171

▼2 United Nations Human Rights Council: Report of the independent international commission of inquiry on the Syrian Arab Republic, 23 November 2011, http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/specialsession/17/docs/A-HRC-S-17-2-Add1.pdf

▼3 ロイター通信, シリア弾圧の死者5000人超に、許しがたい状況=国連弁務官, 2011年12月13日, http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE7BC01A20111213

▼4 Human Rights Watch, “We Live as in War” Crackdown on Protesters in the Governorate of Homs, Syria, 11 November 2011, http://www.hrw.org/reports/2011/11/11/we-live-war-0

▼5 ヒューマン・ライツ・ウオッチ, シリア:「射殺」命令下した指揮官らの氏名 発表, 2011年12月15日, http://www.hrw.org/node/103682

Human Rights Watch, “By All Means Necessary!” Individual and Command Responsibility for Crimes against Humanity in Syria, 15 December 2011, http://www.hrw.org/reports/2011/12/15/all-means-necessary-0

▼6 Amnesty International, Syria: Health crisis: Syrian government targets the wounded and health workers, 25 October 2011, http://www.amnesty.org/en/library/info/MDE24/059/2011/en

▼7 アムネスティ・インターナショナル日本, シリア : 国連加盟国は、断固たる行動をとるべき, 2011年11月28日, http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1023

▼8 International Coalition for the Responsibility to Protect, CURRENT MEMBERS, http://responsibilitytoprotect.org/index.php/about-coalition/current-members

▼9 Sibel Edmonds, Hundreds of US-NATO Soldiers Arrive & Begin Operations on the Jordan-Syria Border, 11 December 2011, http://www.boilingfrogspost.com/2011/12/11/bfp-exclusive-developing-story-hundreds-of-us-nato-soldiers-arrive-begin-operations-on-the-jordan-syria-border/

▼10 The Humanitarian War, Humanitarian War in Libya: There is no evidence, http://www.laguerrehumanitaire.fr/english

▼11 William Blum, The Anti-Empire Report, 1 November 2011, http://killinghope.org/bblum6/aer99.html

▼12 「グローバル・リサーチ」が最近の大規模な自決権デモの様子を伝えている。

Millions Gather in Syria's Squares to Express Condemnation of Arab League Decisions and Reject Foreign Interference: Photographic Evidence: People against US-NATO R2P, Global Research, 29 November 2011, http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27926

▼13 Ipek Yezdani, Secret Syria meet in Hatay, 29 November 2011, http://archive.hurriyetdailynews.com/n.php?n=secret-syria-meet-in-hatay-2011-11-29

▼14 Mahdi Darius Nazemroaya, The Legal Regime being formed against Syria by the Arab League, SNC, and R2P, Strategic Culture Foundation, 29 November 2011, http://www.strategic-culture.org/news/2011/11/29/the-legal-regime-being-formed-against-syria-by-the-arab-league-snc-and-r2p.html

▼15 Michel Chossudovsky, The Pentagon's "Salvador Option": The Deployment of Death Squads in Iraq and Syria, Global Research, 16 August 2011, http://www.globalresearch.ca/index.php?aid=26043&context=va

▼16 RT, Bomb voyage: 600 Libyans ‘already fighting in Syria’, 29 November 2011, http://rt.com/news/libya-syria-fighters-smuggled-475/

下記サイトから日本語訳が読める。

爆撃遠征: 600人のリビア人‘既にシリアで戦闘中’, マスコミに載らない海外記事, 2011年12月1日, http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/600-787f.html

▼17 Tony Cartalucci, IISS: Syria's Opposition Is Armed --Placard-Waving Protesters are actually Machine Gun-Wielding Terrorists., Land Destroyer Report, 15 November 2011, http://landdestroyer.blogspot.com/2011/11/iiss-syrias-opposition-is-armed.html

▼18 Julie Levesque, Media Lies Used to Provide a Pretext for Another "Humanitarian War": Protest in Syria: Who Counts the Dead?, Global Research, 25 November 2011, http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27785

▼19 Paul Joseph Watson, Arab State Urges Citizens To Leave Syria, Global Research, 25 November 2011, http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27863

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