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Trackback from カネダのニュースクリップ 2009-08-27 (木) 23:31

「九条を守る」解釈改憲――民主党流の「護憲」とそれを見抜けない「マガジン9条」

 まるで民主党が護憲派であるかのような表象が、メディアによってなされている。「マガジン9条」は民主党候補へのアンケートを行った。「+++ PPFV BLOG +++」で知ったのだが、そのアンケートの感想として、トップに一時次のような文章が掲載されていたようだ(Googleキ?... (more…)

Home > スポンサー広告 > 改憲は護憲であるという「解釈護憲」――『マガジン9条』的ディストピア (前半)

改憲は護憲であるという「解釈護憲」――『マガジン9条』的ディストピア (前半)

■目次
(1) はじめに
(2) 改憲は護憲であるという「解釈護憲」
(3) 『マガジン9条』的ディストピア
(4) 民主党が「護憲派」であるというニュースピーク
(5) 「解釈護憲」で大連立を防ぐという欺瞞
(6) おわりに
追記

(1) はじめに

 『マガジン9条』が、民主党立候補者に対して実施したアンケート結果を、8月19日付の記事にアップしていた。私は民主党には1ミクロンの期待も持っていないので、どんな結果でも驚きようがないと思っていたが、これにはさすがに呆れてしまった。民主党立候補者の回答に、ではなく、『マガジン9条』の質問に、である。以下、紹介する(強調は引用者による。以下同様)。


質問:「憲法9条」について、あなたのお考えは以下の(1)~(6)のどの項目に近いですか?
 該当する項目の番号と、その理由を、お答えください。

(1)現状肯定護憲
 自衛隊は現実に存在するのだから認めるべき。このままでいいのではないか。

(2)条文重視護憲
 日本国憲法はどう読んでも軍隊を認めていない。したがって条文どおり、自衛隊は廃止すべき。

(3)自衛隊改組護憲
 9条は残すが、自衛隊は最小限の自衛力をもつ陸海空の「国境警備隊」と「人道支援隊」に改組縮小していく。

(4)日米安保重視改憲
 日米安保によって日本の平和は保たれてきた。アメリカとの同盟を大切にするためにも、9条に自衛隊保持を書き入れる。

(5)完全独立改憲
 対米従属をやめ、独自の防衛政策を採るためにも、自衛隊を日本軍として位置づけるよう9条を書き換える。

(6)護憲論的改憲
 解釈改憲をさせないためにも、軍備を廃絶し絶対に戦争はしないということを明文化して憲法に書き入れる。

その他
 (1)~(6)のどの項目とも違う方は、ご自身の考えをお書きください。


 マガジン9条:「民主党候補者に聞いた 「憲法9条」あなたの考えは?」 
 http://www.magazine9.jp/mqr_1

 ・・・・・・もう何から突っ込んでよいかわからないが、とりあえず。『マガジン9条』はどんだけ「護憲」をネタにしてるんだよ?


(2) 改憲は護憲であるという「解釈護憲」

 ところで、今ここで論旨を明快にするために、便宜上、「明文護憲」「解釈護憲」という造語を用いることにする。「明文護憲」は、実質的な護憲を意味する言説の総称であり、「解釈護憲」は、実質上護憲に値しないにもかかわらず、自らをそのように表象しようとする言説の総称を指すとしよう。このように分類すると、『週刊金曜日』や『マガジン9条』などの「護憲派」ジャーナリズムが唱える「護憲論」は、ほぼすべてこの「解釈護憲」に当たると言えないだろうか。解釈改憲は実質的な改憲であるが、「解釈護憲」は実質的な護憲ではない。むしろ「解釈護憲」は解釈改憲であり、ときには明文改憲ですらある。日米安保を温存する「護憲」がすべて「解釈護憲」になることは言うまでもないだろう。

 したがって、普通に解釈すれば、『マガジン9条』が用意した選択肢の中で「明文護憲」と呼べるものは、(2)の「条文重視護憲」のみということになるのだが、私はそれすらも実は疑わしいのではないかと思っている。なぜなら、このアンケートは、自衛隊の憲法上の位置づけを問う(ように見せる)一方で、在日米軍の存在を一切不問に付しているからである。日米安保に触れない「護憲」運動の度しがたい欺瞞については、当の『マガジン9条』が2007年6月のインタビュー記事にまとめていたりするのだが、ダグラス・ラミスの苦言は編集部にはまったく届かなかったらしい。


ラミス 「最近は、安保条約をまったく口にしないような、その部分にまったく触れないような護憲運動が存在しているようなんですね。9条が欲しいけれども米軍基地も必要だという、その動機はわからなくはないけれど、それは反戦平和運動とは呼べない。軍事力に守ってもらわないと不安だ、でも戦争をやるのは人に任せるということになりますね。」


 マガジン9条:「C・ダグラス・ラミスさんに聞いた(その1)」
 http://www.magazine9.jp/interv/lummis/lummis1.php

 ちなみに、(5)の「完全独立改憲」は、おそらく(2)の「条文重視護憲」と同様に、『マガジン9条』編集部が民主党に媚びる(主観的には民主党に対して「共闘」を呼びかける)ために用意した、左右両極の「外れクジ」(あくまで『マガジン9条』にとって)のようなものだと思うが、その(5)にしても、「対米従属をやめ、独自の防衛政策を採る」ことがあくまで目標として示されているにすぎず、日米安保の見直しを明確に求めるものではない(もちろんその可能性を示唆してはいるが)。まして他の項目は推して知るべしである。とすると、最もブラックな選択肢はむしろ、日米安保を維持、あるいは強化すらした上で、国内外に向けて9条を遵守するように見せかける(2)である、とさえ言えるかもしれない。

 『マガジン9条』は、「民主党のみにアンケートを絞った理由」として、「自民党は改憲を党是とし、公明党は加憲、共産と社民は護憲と、その姿勢がはっきりしています。しかし、民主はかなりバラバラのイメージがあります。そこで政権を担うかもしれない民主党だけのアンケートにしたのです」と書いているが、『マガジン9条』自体が民主党を包み込むほどウィングを(無駄に)広げているのだから世話はない。その行き着く先が、「改憲は護憲である」という、こうした(後述する)戯画的状況なのだから。


(3) 『マガジン9条』的ディストピア

 それにしても、このアンケートはしみじみひどいと思う。「解釈護憲派」ジャーナリズムとしては、これがあるべき姿なのかもしれないが、これならストレートに改憲を打ち出される方がまだ気持ち悪くないというのが率直な感慨である。

 というわけで、まずは各選択肢をざっと見ていこう。


(1)現状肯定護憲
 自衛隊は現実に存在するのだから認めるべき。このままでいいのではないか。


 ・・・・・・当たり前のことしか言えないが、違憲状態を合憲(=護憲)であると言い張るのは、護憲派がこれまで散々批判してきた、「既成事実の積み重ねによる憲法の空洞化」を、「護憲」の立場から正当化することになってしまう。しかも、「既成事実の積み重ねによる憲法の空洞化」を正当化する「解釈護憲派」は、「既成事実の積み重ねによる憲法の空洞化」を進める改憲派よりも、はるかにタチが悪いとさえ言える。なぜなら、後者にとっては法治主義が必ずしも侮蔑の対象になっているわけではない(だからこそ改憲が志向されるわけである)が、前者にとっては法治主義は冷笑の対象でしかないからである。こんな理屈がまかり通るなら、「護憲」とは現状を追認するシニシズム以外の何物でもなくなってしまうだろう。以下にいくつか例を挙げてみよう。

第14条 すべて国民は(▼1)、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
→(1)現状肯定護憲
 差別は現実に存在するのだから認めるべき。このままでいいのではないか。

第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
→(1)現状肯定護憲
 貧困は現実に存在するのだから認めるべき。このままでいいのではないか。

第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
→(1)現状肯定護憲
 「自白」の強要は現実に存在するのだから認めるべき。このままでいいのではないか。

 ・・・・・・『マガジン9条』によれば、こうしたシニシズムは「護憲派」を増やすための貴重な資源だということになる。ジョージ・オーウェルもびっくりのディストピアである。


(2)条文重視護憲
 日本国憲法はどう読んでも軍隊を認めていない。したがって条文どおり、自衛隊は廃止すべき。


 『マガジン9条』にとっては、この選択肢はたぶんネタだと思われる((1)はたぶんベタだと思われる)。その証拠に、(2)を選んだ立候補者がゼロなのに、それに対するコメントもゼロである。『マガジン9条』にとって、護憲はもはやネタなのだろう。そうでなければ、この選択肢を(1)や(3)と同列に(あたかも「護憲」の一バリエーションでしかないかのように)扱うことの説明がつかない。


(3)自衛隊改組護憲
 9条は残すが、自衛隊は最小限の自衛力をもつ陸海空の「国境警備隊」と「人道支援隊」に改組縮小していく。


 自衛隊を「災害救助隊」に組み替えるという構想は、一部護憲派が以前から主張していることであり、『マガジン9条』も知らないはずはないのだが、ここであえて「人道支援隊」という言葉を選んでいるのは、民主党の「憲法提言」や山口二郎らの「平和基本法」を踏まえてのことだろう。というか、繰り返しになるが、『マガジン9条』が用意した選択肢はすべて、民主党に媚びる(主観的には民主党に対して「共闘」を呼びかける)ために、注意深く練られたものである(この点については後半で述べる)。

 とりあえず、ここで指摘しておきたいのは、日本が「先進国」として第三世界を収奪し、近隣アジア諸国(とりわけ北朝鮮)への敵対政策を取り続ける限り、「最小限の自衛力をもつ陸海空の「国境警備隊」」は、近隣諸国に深刻な脅威を与え、移民や難民を容赦なく排除する軍隊として、その軍事力をいっそう増強させていくだろうし、「人道支援隊」は、実質的な「対テロ戦争」遂行軍として、第三世界に対する抑圧をますます深めていくだろうということである。

 もちろん、こうした問題を克服するための政治的な取り組みと連動して自衛隊改組のあり方を模索することは、極めて重要なことであると思うし、私も支持するが、一方で、『マガジン9条』のような、北朝鮮に対する差別意識を隠そうともしないジャーナリズムが提案する自衛隊改組論には、警戒せざるを得ない。「国境警備隊」にせよ「人道支援隊」にせよ、その名称を政治が常に裏切りうることは、「自衛隊」の歴史を見れば明らかだろう。まして、最初から明確な脱軍事化と差別の克服が意図されていなければ、なおさらである。

(後半に続く)

▼1 第11条以下にいう「国民」は原文(英語)の「the People」(「日本に住んでいる人々」)に当たるため、ここから在日外国人を除外する根拠はない。

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