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Home > スポンサー広告 > 改憲は護憲であるという「解釈護憲」――『マガジン9条』的ディストピア (後半)

改憲は護憲であるという「解釈護憲」――『マガジン9条』的ディストピア (後半)

■目次
(1) はじめに
(2) 改憲は護憲であるという「解釈護憲」
(3) 『マガジン9条』的ディストピア
(4) 民主党が「護憲派」であるというニュースピーク
(5) 「解釈護憲」で大連立を防ぐという欺瞞
(6) おわりに
追記

(4) 民主党が「護憲派」であるというニュースピーク

 それでは、『マガジン9条』は、いったい何のために、こんなアンケートを作ったのだろうか?その答えがあからさまに示されているのが、後半3つの「改憲」メニューである。


(4)日米安保重視改憲
 日米安保によって日本の平和は保たれてきた。アメリカとの同盟を大切にするためにも、9条に自衛隊保持を書き入れる。

(5)完全独立改憲
 対米従属をやめ、独自の防衛政策を採るためにも、自衛隊を日本軍として位置づけるよう9条を書き換える。

(6)護憲論的改憲
 解釈改憲をさせないためにも、軍備を廃絶し絶対に戦争はしないということを明文化して憲法に書き入れる。


 基本的なことから確認しておこう。第一に、民主党は改憲派であり、第二に、民主党の改憲案自民党の改憲案にはない国連中心主義を打ち出しているが、侵略ができる「普通の国」を志向する点では自民党の改憲案と何ら変わりはない。

 『マガジン9条』は、「自民党は改憲を党是とし、公明党は加憲、共産と社民は護憲と、その姿勢がはっきりしています。しかし、民主はかなりバラバラのイメージがあります」などと白々しく述べているが、民主党憲法調査会がまとめた「憲法提言」こそが民主党の総意なのであり、自民党・公明党およびその支持勢力や「解釈護憲派」らが、それぞれ異なる理由から、民主党の「バラバラのイメージ」の固定化を促進してきたことにこそ留意するべきだと思う(民主党が「バラバラ」でないと言っているわけではない。念のため)。

 民主党:「憲法提言」
 http://www.dpj.or.jp/news/files/SG0065.pdf

 国民投票法(改憲手続法)の制定過程を見ても、民主党は与党案に反対していただけで、国民投票法の制定そのものに反対していたわけではない(だから民主党案を提出した)。自民党と民主党におけるこうした対立関係は、朝鮮侵略の欲望を露骨に共有しながら、その具体的な実践をめぐって熾烈に敵対した、明治初期の西郷隆盛・板垣退助らと、大久保利通・木戸孝允らの関係のようなものだと思った方がよいだろう。

 さて、以上から、次のことが言えると思う。

●民主党改憲案の方向性は『マガジン9条』が用意した選択肢(4)(5)(6)のいずれとも合致しない。したがって、民主党の総意は(1)~(6)のいずれでもない「その他」とならざるをえない。

●個々の民主党立候補者は、単純に言って、明文改憲に反対であれば(1)~(3)を選び、党の改憲案に賛成であれば(7)を選ぶことになるため、(4)~(6)が選ばれる可能性はあらかじめゼロ付近に設定されている。

●こうして『マガジン9条』は民主党を「護憲派」として表象することができるようになる。

 結果は一目瞭然だろう。

 マガジン9条:「民主党候補者に聞いた 「憲法9条」あなたの考えは?」 
 http://www.magazine9.jp/mqr_1/result.php
 http://www.magazine9.jp/mqr_1/ans_7.html


(5) 「解釈護憲」で大連立を防ぐという欺瞞

 では、どうして『マガジン9条』は、こんなアンケートを演出してまで、民主党を「護憲派」として表象しようとしたのだろうか?答えは簡単で、それは読者に民主党への投票を促し、かつそうした支持を民主党に届けるためである。

 まず、読者に対する作為について考えてみよう。『マガジン9条』は、本来「改憲派」でしかない民主党が、あたかも「護憲派」であるかのように見せかけるために、わざわざ小細工を弄しているのだから、これは読者を欺いていると言われても仕方ないだろう。実際、毎日新聞のアンケートなどでも、民主党立候補者のうち、明確な改憲派が57%と多数を占めている(9条の改定に限ると、この割合は17%にまで減るが、上記のように安全保障基本法の制定による解釈改憲を支持する立場をこれに加えると、やはり多数派になるはずである)。

 ところが、厄介なのは、この嘘がおそらく主観的な善意から仕組まれていることだと思う。当の『マガジン9条』から、それを示す記事を引いてみよう。


 今回の衆院選挙の最大の争点は、自民・公明政権を続けさせるのか、ストップするのか、これに尽きます。



 護憲派として今回の選挙にどう臨むべきかといえば、具体的には、小選挙区では「非自公」で「勝てる可能性のある候補」に投票することです。例えば、自民と民主の候補が接戦を繰り広げる選挙区で、護憲にこだわって社民や共産に投票すれば、結果的には自民の候補を利することになる。小選挙区では、1~2万の票が結果を左右しますからね。こういう現実を見て、護憲派の方には投票してもらいたいと思います。

 憲法9条を護りたいという気持ちを否定するわけではありませんが、より有効に9条を護るためには、何を最優先すべきかを考えてほしい。自公政権の存続を許せば、改憲の危機は近づきます。この数年、改憲を声高に主張してきたのは自民党右派なのですから、まずそこを叩き潰すことが当面の課題でしょう。



 「自公」も「民主・社民・国民新」のどちらも過半数を取れないとき、キャスティングボートを共産党が握ることになります。私は、閣外協力でいいから民主側についてほしいと思っていますが、もし共産がどちらにもつかないとなれば、大連立構想という亡霊が蘇ってくるでしょう。そして「北朝鮮の脅威」などを理由にして、新政権が憲法改定を目論むことは十分ありえます。それを防ぐためにも、今回の選挙では民主を中心とした非自公勢力に絶対的な過半数を与えないといけないのです。


 マガジン9条:「今度の総選挙、「護憲派」はどう考える?どこに入れる?」
 http://www.magazine9.jp/other/sosenkyo/yamaguchi.php

 タイトルの「護憲派」がカッコつきになっているところが笑える(私もカッコをつけるべきだと思う)が、それはともかく、ここから読み取れるのは、『マガジン9条』はおそらく、読者が「護憲にこだわって政権交代の足を引っ張る」という「愚の骨頂」(by 山口二郎)を犯すことのないよう、主観的な善意にもとづいて、心ならずも(?)読者を欺いている、ということだろう。こういう露骨な愚民観こそ、山口二郎や「解釈護憲派」ジャーナリズムがいつまでたっても売れない理由(の一つ)だと思うのだが、この人たちは愚民観を励みに言論活動を続けている節があるので、別に忠告する義理もないだろう。

 要するに、『マガジン9条』は、「大連立構想という亡霊が蘇ってくる」のを防ぐために(あるいは防ぐという建前で)、民主党を自分たちの味方――「護憲派」――として表象するという「解釈護憲」に踏み切ったわけである。繰り返すが、自民党も民主党も、侵略ができる「普通の国」を志向する点では何ら違いはない。そして、この「解釈護憲」という欺瞞こそ、『マガジン9条』が防ごうとしている(ように見せている)大連立構想を先取りし、かつそれをパフォーマティブに極める言説でさえあると思う。ニーチェ風に言うなら、「解釈護憲派」は、大連立(の幻影)と闘う過程で自ら大連立と化した(<佐藤優現象>)のである。これを『マガジン9条』側から見ると、「ボクが・・・一番うまく大連立を使えるんだ!」(by アムロ)ということになる。

 一方、民主党側からすれば、このアンケートは、法治主義すら保てない「護憲派」ジャーナリズムからの、ラブコールと自壊のお知らせに見えるだろう。そして、おそらくその読みは完全に正しいと思う。『マガジン9条』は、アンケートの結果について、「回答はとても興味深いものです。6項目の選択肢では答えられないという「7・その他」が一番多かったというところに、民主党の現在の姿が集約されているように思われます。でもその理由を読むと、多くが「9条の意義を大切にし、安易な改正は許さない」としていることが分かります」とまとめている。民主党にとっては、「9条の意義を大切に」する明文改憲と、「安易な改正は許さない」安全保障基本法の制定(どちらも民主党改憲案に沿うものである)なら、「護憲派」ジャーナリズムは容認する、という確約を得たようなものだろう。つまり、民主党は、他ならぬ「護憲派」によって、改憲問題についての裁量を一任されたとさえ言える。

 かりに選挙後に大連立が成立すれば、こうした「解釈護憲派」の連中は、自らの主観的な善意を満足させる新たな欺瞞を総動員して、「より有効に9条を護るためには、何を最優先すべきかを考え」ることになるのだろう。そして、もしかすると、その答えは、現実の9条を捨てることですらあるかもしれないのである。


(6) おわりに

 最後に、総選挙に関する海外の報道記事で、いくつか面白いものを見つけたので、紹介しておく。日本のマスコミは、大連立を促進する言説を連日量産しており、それを支持している人たちも多いが、民主党圧勝を示唆する世論調査を受けてなお、大連立が望ましい、あるいは不可避である、といった論調が強まっているのは、どう考えても異常なことだと思う。政権交代や大連立を期待する日本の世論は、以下の記事が分析しているように、端的に社会全体の右傾化と腐敗の象徴ではないか。


 今月30日の衆院選で政権交代を実現することが有力視される民主党は、過去の歴史問題で相対的に「転向的」な立場を表明している。一部では韓日関係の未来志向的な発展に対する期待感も高まっている。しかし、日本社会全体が保守化している上、民主党内の勢力構造が複雑な点を考えると、民主党が政権を取ったとしても、言葉と行動が一致しない可能性が指摘されている。


 朝鮮日報:「鳩山民主党、歴史問題で転向?(上)」
 http://www.chosunonline.com/news/20090814000024


 [注:民主党の]対外政策を見ると、民主党は「自主・独立」、「アジアと国連の重視」を強調しているが、具体的な政策が打ち出されていないため、より一層観察する必要がある。

 民主党は一貫してアジア諸国との外交を重視している。2007年の参議院選挙の際、「アジア諸国との協力を強化する」というスローガンが打ち出され、「米国に追随する」という自民党の外交との違いが明確となった。しかし、具体的な政策的サポートがないため、見かけは立派だが内容がなく、有権者を欺き、隣国を落ち着かせるものだと疑われ、対米外交とのバランスを取るための手段であるとも見られている。中国などの隣国から見ると、内容によっては、日本の「アジア重視」政策が必ずしも有利なものだとは言いきれない。

 民主党が国連の役割を重視するのは、むろん米国に対する依存度を軽減させるのに有利であるが、日本の「国連・安保理改革でより大きな役割を果たし、常任理事国入りを果たす」という意図も明らかになるだろう。


 人民日報:「民主党が政権を握った場合の対中政策の見所」
 http://j.peopledaily.com.cn/94474/6729931.html


・・・果たしてこれが真の意味の二大政党制の誕生なのか、それとも腐敗した自民党派閥政治の「輪番制」「人心一新」のもう一つの形の出現、あるいは延長であるのかは、さらなる検証が必要だろう。


 人民日報:「日本は二大政党制へ向かうのか、それとも新たな派閥政治の始まりか」
 http://j.peopledaily.com.cn/94474/6717248.html

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