スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Comments:-

Comment Form

Trackback+Pingback:-

TrackBack URL for this entry
http://mdebugger.blog88.fc2.com/tb.php/41-7d780fe7
Listed below are links to weblogs that reference
スポンサーサイト from media debugger

Home > スポンサー広告 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (4)

「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (4)

■目次
(1) はじめに
(2) 第二の「国民基金」としての「促進法」
 (2-1) 「促進法」豆知識
 (2-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (2-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (2-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (2-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (2-6) より完璧な「国民基金」への道――(A) 被害国の世論の取り込み
 (2-7) より完璧な「国民基金」への道――(B) 保守・右派の取り込みと「国民基金」関係者との「和解」
 (2-8) より完璧な「国民基金」への道――(C) 戦後補償運動の日本国家への回収の完成
 (2-9) 結論
(3) 「要綱案」とは何か――他者からの呼びかけの無化
 (3-1) 「要綱案」豆知識
 (3-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (3-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (3-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (3-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (3-6) アジアの他者を切断する「戦後補償」
 (3-7) 【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見
 (3-8) 【資料2】「戦時性的強制被害者補償要綱(第1次案)」に対する意見書
 (3-9) 【資料3】第二次案の作成のご報告 被害者並びに支援者の皆さんへ


(2-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理

 三番目に、「この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示」という点から「促進法」を見てみよう。「促進法」が日本軍「慰安婦」(性奴隷制)問題の真相究明に関して定めている条文は、第四条第二項第三号と第九条、第十条第二項第三号および第三・四項である。

 「(基本方針)
第四条 政府は、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図るための施策に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
〔中略〕
 三 いまだ判明していない戦時における性的強制及びそれによる被害の実態の調査に関する事項
〔後略〕」

 「(国会に対する報告等)
第九条 政府は、毎年、国会に、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進に関して講じた施策及び第四条第二項第三号の調査により判明した事実について報告するとともに、その概要を公表しなければならない。」

 「(戦時性的強制被害者問題解決促進会議)
第十条 内閣府に、戦時性的強制被害者問題解決促進会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
〔中略〕
 三 第四条第二項第三号の調査を推進すること。
〔中略〕
3 会議は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対して、資料の提出、説明その他の必要な協力を求めることができる。
4 会議は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

 第十条第三項および第四項の「必要な協力を求める/依頼することができる」という点がポイントである。言うまでもなく、真相究明は日本政府が真の謝罪と賠償を行うための絶対条件であり、真相究明の主体として責任を負うべきは、未公開の資料を山のように秘匿しているとされる日本政府(官公庁)自身だろう。ところが、「促進法」は、日本政府に情報公開の義務を課すのではなく、内閣府に設置する「促進会議」――会長は内閣総理大臣であり(第十一条第二項)、委員も内閣総理大臣が任命する(第十一条第三項)――が政府(官公庁)に対して「必要な協力を求める/依頼することができる」としているのである。言ってみれば、加害者の身内が「真相究明」をするために、加害者に対して「必要な協力を求める/依頼することができる」と定めているようなものだ。「協力」とは笑止な限りである。

 ちなみに、「促進法」とは別に、超党派の議員連盟(「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」/会長は鳩山由紀夫)が、1999年(第145回国会)から衆議院に提出している、「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」(「恒久平和調査局設置法」)も、「我が国の名誉と恒久平和の実現に資するために、今次の大戦及びこれに先立つ一定の時期における惨禍の全体像を立法府が自発的に明らかにする」ことを目的として、「国立国会図書館に恒久平和調査局を設置する」(▼9)ことを定めているが、「促進法」と同様、政府に情報公開の義務を課しているわけではない。それどころか、内閣が「国益」に反する(「国家の重大な利益に悪影響を及ぼす」)と判断した情報に関しては、公開の必要がない、とさえ明記しているのである(第三条)(▼10)。これでは、奥野誠亮元法相のように、「慰安婦」問題の証拠隠滅のために公文書の焼却工作に直接関与した(する)人物の犯罪的な行為が、「国益」論的立場から肯定されることにすらなってしまう。

 「促進法」には、「恒久平和調査局設置法」のように露骨な「国益」条項はないが、官公庁や自治体に求められる(かもしれない)情報公開はあくまで任意なのだから、結局は「国益」に反しない限りにおいてしか真相究明は進まないだろう。無論それは真相と呼ぶに値しないものである。したがって、本節の結論は以下の通りである。

●(a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理


(2-5) (d) 加害者の処罰――論外

 最後に、「加害者の処罰」であるが、そもそも日本政府は罪責を承認していないのだから、責任者処罰の規定など、条文のどこを探してもあるはずがないし、実際にない、としか言いようがない。

 ただ、これだけではあんまりなので、責任者処罰が「慰安婦」被害者と韓国挺身隊問題対策協議会(以下「挺対協」)らの当初からの要求であったこと(▼11)、さらに国際社会からも要請され続けていること(▼12)(▼13)を付け加えておこう(挺対協がなぜ「促進法」に賛成しているかについては、次節以降で考察する)。2000年12月8日から12日にかけて東京で開廷した「女性国際戦犯法廷」でも、天皇裕仁を始め8人に有罪判決が下され、「事実証人〔注:原文ママ〕と真相公開、遺骨回収と埋葬、被害者の名誉回復公式宣言、謝罪と責任認定、違反者への法的行政的制裁、犠牲者の追悼、記憶の保存、公式かつ完全な謝罪、法的救済、原状回復、損害賠償、リハビリテーション、ジェンダートレイニングとエンパワメントなど」が、日本政府の賠償責任として認定されている。

 VAWW-NET ジャパン:「ハーグ最終判決」
 http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/judgment.html

 天皇制――民族差別および女性差別の根源――に象徴される、大日本帝国との連続性を断ち切るためにも、日本国民が政府に対して「慰安婦」問題の責任者処罰を要求することは当然だろう。「促進法」がこの条件を満たさないことは明らかである。よって、シンプルに結論を示す。

●(d) 加害者の処罰――論外


▼9 「「慰安婦」問題をめぐる国会での論戦(上)」、『季刊 戦争責任研究』第38号(2002年冬季号)、p.46

▼10 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g16401027.htm

▼11 「日本軍“慰安婦”制度の責任者処罰を要求する私たちの立場

 私たちは、かつて日本軍「慰安婦」制度を企画、立案し、幼い少女たちを強制的に連行して性的奴隷にした犯罪者の処罰を要求する告訴・告発状を検察に提出するため訪日しました。

 半世紀以上も隠蔽されてきたこの残酷な犯罪行為が本格的に問題提起されてからすでに三年が経ちました。この間、被害者たちの生々しい証言と、学者たちによる研究、韓国挺身隊問題対策協議会をはじめ、各国の民間団体のねばり強い活動によって、真相究明はかなり進んできております。三年前、“慰安婦は民間業者が連れ歩いたもの”で、政府には調査する責任がない、と誠意のない態度を示した日本政府すらも、ついに日本軍が韓国女性たちを強制連行した事実を部分的に認めるまでになりました。

 私たちは日本政府が誠実に後続措置をとることを期待してきました。しかし日本政府はそれ以上の調査をせず、犯罪に対する何らの後続措置もしておりません。そこにはこの問題を歴史の裏面で内々に片付けてしまおうという意図すら明らかに感じられます。

 私たちが今さらながらこの問題を提起する理由は、二度とこのような犯罪が起ってはならないという歴史的教訓を得るためであるということを、いま一度明らかにしたいと思います。では、歴史的教訓を得るためには何をしなければならないのでしょうか。

 第一に、日本政府は日本軍「慰安婦」問題が、単に戦争中に起こった偶発的な事件ではなく、日本軍の首脳部が立案、企画、実施した性的奴隷制度であり、犯罪であったという事実を認めなければなりません。これがこの問題の核心であり真実であります。

 第二に、日本政府はこの残酷な制度を立案、企画し、実施した者が誰なのかを明らかにし、その犯罪者たちを処罰しなければなりません。現実的には彼らが死亡していたり、現在の居住地を把握することができないとしても、そのための誠実な議論と措置がとられなければなりません。

 第三に、こうした努力をするとともに、被害者たちに対する精神的、物質的な補償を行なわなければなりません。

 日本政府がこうしたことに力を注いでこそ、国民の多数がこのとてつもない人権侵害犯罪の意味を深く悟り、二度と繰り返してはならないという貴重な教訓を得られるのだと思います。

 日本の首相が訪韓して「謝罪」したり「陳謝する」と発言したことは、過去の態度に比べれば進歩したと言えましょう。しかし、先に述べたような努力が伴わないならば、それは口先だけの謝罪にすぎないのであり、真実性は欠如しております。

 いま、被害者たちに残された生は長くありません。私たちは被害者たちが生きているうちに、一日でも早くこの問題が正しく解決されることを心から望んでおります。また、私たちは生存者のみならず、すでに亡くなった数多くの被害者たちの霊魂に代わって、必ず責任者処罰の要求をしなければならないと信じております。

 私たちは、ここに提出する告訴・告発状を通して、この問題が人道に対する重要な犯罪行為であるという点を明らかにしたいと思います。そして、日本の検察がその名誉にかけて、この犯罪者たちを調査し、彼らに対する処罰の先例を作って下さることを要求いたします。

 一九九四年二月七日 東京にて

 告訴人 (被害者) 姜徳景他二六名
 告発人 韓国挺身隊問題対策協議会」(鈴木裕子、『戦争責任とジェンダー――「自由主義史観」と日本軍「慰安婦」問題』、未来社、1997年、pp.98-99)

▼12 「9 勧告

 本特別報告者〔注:ラディカ・クマラスワミ国連人権委員会「女性に対する暴力、その原因と結果に関する特別報告者〕は、関係政府との協力の精神に基づいて任務を果たし、かつ女性に対する暴力とその原因および結果のより広範な枠組みのなかで、戦時軍事的性奴隷制の現象を理解するよう試みる目的のために、以下のとおり勧告したい。特別報告者は、特別報告者との討議において率直であり、かつ日本帝国軍によって行なわれた軍事的性奴隷制の少数の生存女性被害者に対して、正義にかなった行動をとる意欲をすでに示した日本政府に対し、協力を強く期待する。

 A 国家レベルで

 日本政府は、以下を行なうべきである。

 (a) 第二次大戦中に日本帝国軍によって設置された慰安所制度が国際法の下でその義務に違反したことを承認し、かつその違反の法的責任を受諾すること。

 (b) 日本軍性奴隷制の被害者個々人に対し、人権および基本的自由の重大侵害被害者の原状回復、賠償および更正への権利に関する差別防止少数者保護小委員会の特別報告者によって示された原則に従って、賠償を支払うこと。多くの被害者がきわめて高齢なので、この目的のために特別の行政審査会を短期間内に設置すること。

 (c) 第二次大戦中の日本帝国軍の慰安所および他の関連する活動に関し、日本政府が所持するすべての文書および資料の完全な開示を確実なものにすること。

 (d) 名乗り出た女性で、日本軍性奴隷制の女性被害者であることが立証される女性個々人に対して書面による公式謝罪をなすこと。

 (e) 歴史的現実を反映するように教育カリキュラムを改めることによって、これらの問題についての意識を高めること。

 (f) 第二次大戦中に慰安所への募集および収容に関与した犯行者をできる限り特定し、かつ処罰すること。」(ラディカ・クマラスワミ、『女性に対する暴力――国連人権委員会特別報告書』、明石書店、2000年、pp.263-264)

▼13 「第3節 勧告

 ①刑事訴追を保証するための仕組みの必要性

 ◆63

 強かん収容所〔注:「慰安所」〕の設置に対する日本軍の関与は今や明らかである。こうした残虐行為にかかわった人たちを、国連人権高等弁務官は、日本その他の裁判管轄権内で訴追するように行動すべきである。国連は、「慰安所」に関与して生存している責任者を探し出し、訴追する義務を日本に完全に果たさせることと、同様に他の諸国が、日本以外の裁判管轄権内で加害者の逮捕と訴追を援助するため、あらゆる手段を講じることを保障する義務がある。したがって高等弁務官は、日本当局とともに、以下を実現するよう行動すべきである。

 (a) 第二次大戦中、日本の強かん所を設置し、支援し、利用した可能性のある個々の軍人、公務員、民間人に関する証拠を集める。

 (b) 被害者の面接調査を行う。

 (c) 日本の検察官に対し、提訴準備を促す。

 (d) 他の諸国の裁判管轄権内で加害者を特定し、逮捕し、訴追するため、それらの諸国や被害者組織と協力する。

 (e) 各国の裁判管轄権内でこのような訴追が可能になるような立法措置をとるよう、あらゆる形で各国を援助する。」(ゲイ・J・マクドゥーガル、『戦時・性暴力をどう裁くか  増補新装2000年版――国連マクドゥーガル報告全訳』、凱風社、2000年、pp.117-118)

Comments:0

Comment Form

Trackback+Pingback:0

TrackBack URL for this entry
http://mdebugger.blog88.fc2.com/tb.php/41-7d780fe7
Listed below are links to weblogs that reference
「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (4) from media debugger

Home > 「慰安婦」立法 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (4)

Recent Comments
Recent Trackback
Search
Meta
Links
Feeds

Page Top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。