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ルージュ 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 11:50

一生懸命読んでみましたが、資料とかいろいろ難しいなと思いました。

戦争の時の事実を知ることは大切だと思います。過ちとか繰り返さないためにも。

でもどこかでもうスパッと、お互い様みたいに思って、これからの関係を考えていけたらいいのじゃないかなとも思います。

m_debugger Re: 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 13:42

>ルージュさん

根気よく読んでくださり、ありがとうございます。
資料ややこしいですか。

ただ、このエントリーでは、どうしても「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」の内容と推進者の言説を、個別具体的に批判しなければならないので、どうしても引用が多くなってしまうのです。
私の方でも後で適宜加筆などするかもしれませんが、その点はご了承ください。

>でもどこかでもうスパッと、お互い様みたいに思って、これからの関係を考えていけたらいいのじゃないかなとも思います。

えーと、このエントリーは、そういう過去を水に流そう的な日本の動きを批判しているんですよね・・・要約すれば。

そもそも「お互い様」って何ですか?

例えば、
・大日本帝国による植民地支配と侵略戦争の最高責任者であり、生前に何一つ責任を取ることなく死んでいった昭和天皇と、
・戦後64年を経ても、いまだに象徴天皇制を選び直し続け、政府に対してアジアへの戦争責任・戦後責任を果たさせることができていない日本国民、
・自分自身には何一つ責任はないのに、「皇軍兵士への贈り物」と呼ばれて、無理やり「慰安婦」(性奴隷)を強いられ、その後も沈黙を強いられてきた被侵略民族の女性たち
との間には、いったいどんな対等性―「お互い様」といえる関係性―があるのでしょうか?そんなものはどこにもないのではないですか?

m_debugger Re: 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 13:48

>ルージュさん

すみません。追記です。

もちろん、日本政府が真の戦後補償を実現することができれば、アジア諸国との「これからの関係を考えてい」けると私も思っています。
ですから、このエントリーでは、「促進法」が真の戦後補償にはならない、ということを言っています。

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Home > スポンサー広告 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (5)

「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (5)

■目次
(1) はじめに
(2) 第二の「国民基金」としての「促進法」
 (2-1) 「促進法」豆知識
 (2-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (2-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (2-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (2-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (2-6) より完璧な「国民基金」への道――(A) 被害国の世論の取り込み
 (2-7) より完璧な「国民基金」への道――(B) 保守・右派の取り込みと「国民基金」関係者との「和解」
 (2-8) より完璧な「国民基金」への道――(C) 戦後補償運動の日本国家への回収の完成
 (2-9) 結論
(3) 「要綱案」とは何か――他者からの呼びかけの無化
 (3-1) 「要綱案」豆知識
 (3-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (3-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (3-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (3-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (3-6) アジアの他者を切断する「戦後補償」
 (3-7) 【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見
 (3-8) 【資料2】「戦時性的強制被害者補償要綱(第1次案)」に対する意見書
 (3-9) 【資料3】第二次案の作成のご報告 被害者並びに支援者の皆さんへ


(2-6) より完璧な「国民基金」への道――(A) 被害国の世論の取り込み

 以上の分析から、「促進法」は「国民基金」と連続性を有しており、まさに第二の「国民基金」と言えることが明らかになった。本節以降ではもう一歩踏み込んで、「促進法」が「国民基金」の補完と拡充――より完璧な「国民基金」――を志向していることを論じてみたい。

 「促進法」をより完璧な「国民基金」であると私が見なす理由は、以下の通りである。

 (A) 被害国の世論の取り込み
 (B) 保守・右派の取り込みと「国民基金」関係者との「和解」
 (C) 戦後補償運動の日本国家への回収の完成
 
 これらは相互に密接に関連しあっているのだが、とりあえず順番に述べていこう。まずは、(A)の「被害国の世論の取り込み」についてである。

 ここで指摘しておかなければならないことは、「促進法」が「国民基金」と連続性を有していることについては、さすがに「促進法」推進派も多かれ少なかれ自覚しているということである。このことは、「署名」の文面からはまったく伺えないようになっているが、サイトの他記事を当たっていくと、わかるようになっている。

 「この法案が100%満足のいくものではないと、この法案作成に中心的役割を果たした戸塚悦朗教授(龍谷大学)は指摘します。この法律が成立したからといって真の解決ではなく、解決に向かう道を開くにすぎないと。運動の力によって法案を補完しなければならないし、法案の内容を充実させるだけの政治状況があればなおいいでしょう。

 しかし現在の政治状況では、この法案は最良のものです。

 そして何よりこの法案は、韓国をはじめとする全ての被害国、被害女性・支援団体から歓迎されています。法案作成に際して戸塚教授がもっとも注意したのは、被害者がどう受け止めるかでした。そして法案提出に先んじて被害女性・支援団体と綿密な擦り合わせをしています。法案に「謝罪」という文言が入ることにより、この法案は被害女性に歓迎されています。

 そこが重要で、アジア女性基金とは最も違うところです。

 関係国の議会でも、法案支持の決議が採択されています。

 フィリピン下院人権小委員会決議(1999年2月)
 台湾立法院法案支持決議(2002年10月)
 韓国国会制定促進決議(2003年2月)
 フィリピン下院外交委員会決議(2005年1月)」

 「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を!:「立法措置がなぜ必要か?」
 http://www.jca.apc.org/ianfu_ketsugi/hourituan_nazehitsuyouka.html

 要するに、「促進法」推進派は、「国民基金」との連続性を暗に認めているからこそ、「韓国をはじめとする全ての被害国、被害女性・支援団体から歓迎されてい」る点においては、「促進法」は「国民基金」と明確に区別されてしかるべきである、と主張しているわけだ。ちなみに、「現在の政治状況では」これが「最良のもの」だという売り文句は、「今しかない」「これしかない」と同様、「国民基金」推進派が呪文のように唱えてきたフレーズである。余計なお世話だろうが、こんなに「国民基金」とキャラが被っていてよいのだろうか。

 ところが、「署名」の呼びかけ人の中には、確かに挺対協の常任代表や台湾婦女救援社福利事業基金会(以下「婦援会」)の会長(董事長)が含まれているし、「関係国の議会でも、法案支持の決議が採択されてい」ることも事実なのである。一体これはどういうことなのだろうか?

 とりあえず、挺対協については後に回すとして、先に「韓国国会制定促進決議」について考えてみよう。以下に、『季刊 戦争責任研究』に掲載された、韓国の国会決議(2003年2月26日採択)を紹介する(なお、本稿では資料の入手状況により、韓国との関係を中心的に扱うこととする)。

 「〔前略〕日本政府の法的責任等を明記した「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」が日本国の民主党、共産党、社会民主党の所属議員によって2003年1月に提出されたことは、日本軍慰安婦被害者問題の解決において大きな進展を見せたものであると評価する。〔中略〕

 したがって、大韓民国国会は、日本軍慰安婦被害者の名誉回復と人間としての尊厳性の回復、そして韓・日両国間の友好関係の発展のために、この法律案を迅速に審議することを求め、次のように決議する。

1.大韓民国国会は、日本国国会が日本軍慰安婦被害者に対する真相究明と資料の公開、日本軍慰安婦被害者に対する公式の謝罪及び賠償等の名誉回復のために必要な措置の講究等を主な内容とする「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を速やかに審議し、制定することを求める。〔後略〕」(▼14)

 どうやら、いきなり答えにたどり着いてしまったようである。韓国の国会は、「促進法」が日本政府の法的責任等を明記し、「日本軍慰安婦被害者に対する真相究明と資料の公開、日本軍慰安婦被害者に対する公式の謝罪及び賠償等の名誉回復のために必要な措置の講究等」を定めた法案であると認識しているからこそ、「促進法」を支持しているのであった。もちろん、この認識は誤解である。

 とすると、また別の疑問が生じてくる。なぜ韓国の国会議員たちは「促進法」の性質を誤解しているのだろう?それを示唆するのが、荒井信一氏による前項の解説文である。

 「さきの臨時国会で廃案となった「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」(以下「法案」と略記)が、今年〔注:2003年〕1月召集された通常国会に再提出された。韓国では2月25日、盧武鉉新政権が発足したが、その直前の2月12日、提案議員の岡崎トミ子(民主)、吉川春子(共産)、大脇雅子(社民)、田嶋陽子(無所属)議員が訪韓し、「慰安婦」被害者や李美卿議員ら国会議員、韓明淑女性部長官等に直接「法案」の再提出と前国会までの審議の模様を説明した。またその際、「法案」の現状を説明し、「慰安婦」問題の早期解決に協力を要請する要請書も新大統領に提出された。要請書には、「戦後処理の立法解決を求める法律家・有識者の会」など日本のNGO25団体、個人35名が名を連ねた。(▼15)

 ・・・・・・これでは、どうしても次のように考えざるを得ないのではないか。韓国の議員たちの認識を誤った方向に誘導したのは、「促進法」の発議者を始めとする、当の法案の推進者たちである、と。これは、逆に言えば、彼ら・彼女らは、(韓国)世論を誘導しない限り、法案への支持が得られないことを自覚していた(いる)ということではないのか。

 次に、挺対協が「促進法」に賛同している理由を推測してみよう。挺対協の場合は国会とは事情が異なり、「促進法」推進派による誘導と韓国側の誤解、という構図ではうまく説明できない。そこで、「この法案作成に中心的役割を果たした戸塚悦朗教授(龍谷大学)」に舞台裏を尋ねてみよう。

 「〔前略〕筆者は、1995年11月から2年間余もの間ソウル大学法学研究所の特別研究員等としてソウルに滞在したことがある。「慰安婦」問題の立法解決を推進しようと自ら起草した法案原案を持って韓国に行き、その間に被害者、被害者支援団体、研究者、政府関係者、被害者側全体の同意を得ようと努力したのである。〔中略〕

 どんなに良い案と思われても、被害者側に歓迎されない提案は「第2の「国民基金」だ」と拒絶されてしまい、結局解決の促進にはならないのである。被害者支援団体などと数多くの秘密交渉を継続した。挺対協の執行委員をはじめとしてこの問題に関わる多数の人たちに面会して私案を説明した。最後には、この問題だけを討議する大きな秘密会議に出席して説明をするところまでこぎつけたのだが、結局挺対協の説得に失敗した。(▼16)

 実に2年間に及ぶ戸塚教授の説得を拒み続けてきた挺対協が法案の「賛同」に転じたのは、本岡昭次議員(当時)の訪韓時だった。戸塚教授は、当時の状況を次のように語っている。

 「これ〔注:法案への挺対協の支持を取り付けること〕に先立ち、筆者は、本岡議員(及び政策秘書)と共に試案を持参してフィリッピン、台湾などの被害者と支援団体、立法府議員、政府関係者を訪問し、法案(私案)立案について説明したが、その際「歓迎する。できるだけ早い実現を希望する」という同意を得ていた。中国政府には大使館ルートで接触していた。しかし、韓国の挺対協からは、「歓迎する」という一言を得ることができていなかったのである。だから、この高いハードルを超える必要があった。

 シアトル在住の著者に本岡議員から電話があり、「訪韓に同行して欲しい」と要請された。だが、諸般の事情で都合がつかなかった。そのため、電話で協議することになった。著者は、「挺対協の歓迎を得ることは容易ではないでしょうが、頑張ってください。しかし、挺対協には、「同意なしには国会に提案しない」ことを明確に約束してきてください。被害者側全体の同意なしに提案すると、「第2の国民基金」という批判を浴びて折角の立法の提案も、解決につながらないからです。この秘密協議自体が和解のプロセスですから、この点が重要です」とくどいほど要請した。

 本岡議員の誠意が通じた。ソウルで同議員と協議した挺対協代表は、とうとう「本岡法案」の立法の提案を歓迎することを決断したのである。」(▼17)

 「歓迎することを決断した」とは珍妙な表現だが、挺対協に強いられたジレンマを実に的確に言い当てているのではないだろうか。戸塚教授は、挺対協が法案の「賛同」に踏み切った理由について、「その決断をうながした鍵は、筆者の私案にはなかった「謝罪」という決定的な文言にあったのではないかと推測している」(▼18)と述べている(戸塚教授によれば、「法案の目的の「謝罪」は、筆者が思い至らなかったことであった」(▼19)そうである。とにかく日本政府が被害者に金銭を支給しさえすればよいのだろう、という思考回路があからさまに示されていて、大変興味深い)が、私の考えは少し違う。

 挺対協の「同意なしには国会に提案しない」という確約は、韓国側の自己決定権を一見尊重しているようだが、逆に言えば、挺対協に与えられたのは、フィリピンも台湾も中国も「歓迎」している法案の拒否権である。私の推測が正しければ、挺対協が「促進法」に「賛同」したのは、基本的には他国の「慰安婦」被害者や支援団体に配慮せざるを得なかった結果だろう。いや、もっとはっきり言ってしまおう。つまり、挺対協は、他国の被害者たちを人質に取られた状態で、本岡議員との「協議」に臨まなければならなかったということではないのか(念のため述べておくが、戸塚教授や本岡議員にそのような意図があったかどうかは問題ではない。挺対協にとって実質的な選択肢が他になかったことが問題なのである)。「謝罪」の文言うんぬんは、挺対協にとっては本質的な判断材料ではなく、法案に賛同せざるを得ないことへの慰め程度の存在だったのではないかと思う。

 さらに言えば、第3章で述べるように、挺対協は、日本の戦後補償運動の「国益」論的変質――日本国家への回収――が末期的な段階にあることを、少なくとも10年以上前から、正確に認識して(させられて)いるのである。したがって、挺対協が「促進法」に(現在も)賛同しているのは、戦後補償問題を契機に日本が別の社会に変わっていくかもしれない可能性に賭けることをやめた――端的に言えば、日本に絶望しきってしまった――からだと私は思う。

 以上に述べてきたような、「促進法」推進派による被害国の世論の取り込みは、民主党政権やリベラル・左派が提唱する「東アジア共同体」の推進を円滑にするための近隣諸国との「和解」(の演出)に不可欠なものだろう。言い換えれば、「国民基金」では被害国の反発が強すぎて不可能だったことを、実質的には第二の「国民基金」である「促進法」が実現しようというわけだ。

 ちなみに、戸塚教授は次のようにも語っている。

 「本稿が説明しようとしている立法解決とは、この問題の真の解決なのであろうか。仮に本稿が報告する法案が国会を通過し、法律として成立した場合でも、それ自体で真の解決が獲得できるわけではない。解決に向かう道が開けては来るが、それ自体が解決ではないということに注意すべきである。立法によって、解決に向かうプロセスが大きく進展するので、画期的な新段階とはなるが、立法によっても、生存被害者に許しを請うことができるようにはなるものの、被害者の被害は無くなることはない。そのことと、解決とは別である。さらにその先があり、この問題の解決のためには、より広範な視点から求めることになろう。例えば、山下英愛著『ナショナリズムの狭間から――「慰安婦」問題へのもう一つの視座』明石書店(2008年7月)が提示する方向は、その一つの道を示すものとして注目できよう。(▼20)

 朴裕河的な「和解」論が、戦後補償の「真の解決」として持ち上げられている。もっとも、「促進法」が徹頭徹尾「被害者の救済」と「和解」のために発案・推進されてきたことを考えれば、別に驚くことでもない。「促進法」推進派は、口を開けば、この法案は「全ての被害国、被害女性・支援団体から歓迎されてい」ると主張しているが、姜徳景さんが今も生きていれば、彼女の原則的な責任者処罰論を「反日」的論調として疎んじていたことは間違いないだろう。「促進法」は「全ての被害国、被害女性・支援団体から歓迎されてい」るのだから、推進派にとっては、自らが取り込めない被害国・被害者の声は、すべて「反日」的論調として片付けてよいことになっているのである。


▼14 「韓国国会における日本国の「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」の制定促進決議

決議提案年月日:2003年2月18日 採択年月日:2003年2月26日 本会議提案者:林鎮出女性委員長

 <主文>

 大韓民国国会は、全ての人間が人種、性、言語、宗教、国籍、政治的見解、社会的な地位と関係なく、自由と権利を享受する資格を有し、こうした人間の基本的な権利を阻害するいかなる形の暴力も世界人権宣言に違反するという点を確認し、第二次世界大戦の間、日本軍が故意に軍隊を動員して、最大20万人余りに達すると推定される若い朝鮮人女性をはじめとして、アジアの多数の国の女性を強制動員あるいは拉致し、日本軍の性的奴隷とした日本軍慰安婦被害者に対する名誉回復と法的賠償責任が日本政府にあるという1996年と1998年の国連人権委員会の報告書の採択に共感し、日本政府の法的責任等を明記した「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」が日本国の民主党、共産党、社会民主党の所属議員によって2003年1月に提出されたことは、日本軍慰安婦被害者問題の解決において大きな進展を見せたものであると評価する。

 しかし、第二次世界大戦が終了してから50年余りが経過し、高齢の日本軍慰安婦被害者の大部分が名誉回復されずに死亡しているのが現実であることを勘案した時、日本軍慰安婦被害者問題の真相究明及び名誉回復等の必要な措置の速やかな施行が急がれる。

 したがって、大韓民国国会は、日本軍慰安婦被害者の名誉回復と人間としての尊厳性の回復、そして韓・日両国間の友好関係の発展のために、この法律案を迅速に審議することを求め、次のように決議する。

1.大韓民国国会は、日本国国会が日本軍慰安婦被害者に対する真相究明と資料の公開、日本軍慰安婦被害者に対する公式の謝罪及び賠償等の名誉回復のために必要な措置の講究等を主な内容とする「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を速やかに審議し、制定することを求める。

2.大韓民国国会は、日本国政府が、日本帝国主義によって組織・運営されていた日本軍慰安婦被害者問題は国際法上の非人道的な犯罪であることを認め、日本軍慰安婦被害者問題の真実を教科過程に忠実に反映させて日本の後世が歴史的な真実を正しく知り、アジアの国民と真の連帯を実現させることを求める。

 <提案理由>

 1910年8月29日の韓日合邦(日韓併合)から、第二次世界大戦が終了した1945年8月15日まで、日本帝国主義が故意に軍隊を動員し、民族・国籍・政治的な見解の違い等を理由にして、朝鮮の数多くの民間人を虐殺・虐待し、とりわけ最大20万人余りと推定される若い朝鮮人女性を騙し、または強制動員し、戦争中の日本軍の性的奴隷としたという歴史的な事実が、50年余りが経過した今日まで国際的な人権問題として提起されており、韓・日間の重要な外交的懸案となっている。

 このような事実に対して、国際法律家委員会が1994年に発行した報告書は、「1965年の韓・日間の条約は、政府に対する賠償に関連するものであり、被害者個々人が受けた苦痛に対する請求権は含まれていない」という立場を明らかにしており、1996年の第52回国連人権委員会の報告書は、「サンフランシスコ講和条約や、いかなる双務的な条約も、性的奴隷によって提起された賠償要求を扱っていないため、日本政府は国際人道法を違反したことに対する法的責任を今なお果たすべきである」という点を強調している。また、1998年8月には、日本政府の法的賠償責任及び責任者の処罰を骨子とする特別報告官の報告書も採択された。

 しかし、日本政府はいまだに、サンフランシスコ講和条約と韓日協定(日韓条約)によって責任が完了したという立場をとり、日本軍慰安婦女性に対する謝罪及び法的賠償に対する国際的な要求から顔を背けているのが現実である。

 こうした視点から2003年1月31日、民主党、日本共産党、社会民主党の所属議員が「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を共同発議し、現在、日本国国会で審議中であるが、この法律の速やかな制定を求め、日本軍慰安婦被害者問題の迅速な解決及び韓・日両国の過去の歴史の正しい確立を図るものである。

(国立国会図書館海外立法情報課=仮訳)」(「資料紹介 韓国国会における日本国の「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」の制定促進決議」『季刊 戦争責任研究』第40号(2003年夏季号)、p.51)

▼15 前掲書、p.50

▼16 戸塚悦朗、「市民が決める「慰安婦」問題の立法解決――戦時性的強制被害者問題解決促進法案の実現を求めて」『国際人権法政策研究』第3巻4巻合併号(通算第4号)、2008年12月、pp.36-37

▼17 前掲書、p.37

▼18 同上

▼19 前掲書、p.33

▼20 前掲書、p.17

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ルージュ 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 11:50

一生懸命読んでみましたが、資料とかいろいろ難しいなと思いました。

戦争の時の事実を知ることは大切だと思います。過ちとか繰り返さないためにも。

でもどこかでもうスパッと、お互い様みたいに思って、これからの関係を考えていけたらいいのじゃないかなとも思います。

m_debugger Re: 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 13:42

>ルージュさん

根気よく読んでくださり、ありがとうございます。
資料ややこしいですか。

ただ、このエントリーでは、どうしても「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」の内容と推進者の言説を、個別具体的に批判しなければならないので、どうしても引用が多くなってしまうのです。
私の方でも後で適宜加筆などするかもしれませんが、その点はご了承ください。

>でもどこかでもうスパッと、お互い様みたいに思って、これからの関係を考えていけたらいいのじゃないかなとも思います。

えーと、このエントリーは、そういう過去を水に流そう的な日本の動きを批判しているんですよね・・・要約すれば。

そもそも「お互い様」って何ですか?

例えば、
・大日本帝国による植民地支配と侵略戦争の最高責任者であり、生前に何一つ責任を取ることなく死んでいった昭和天皇と、
・戦後64年を経ても、いまだに象徴天皇制を選び直し続け、政府に対してアジアへの戦争責任・戦後責任を果たさせることができていない日本国民、
・自分自身には何一つ責任はないのに、「皇軍兵士への贈り物」と呼ばれて、無理やり「慰安婦」(性奴隷)を強いられ、その後も沈黙を強いられてきた被侵略民族の女性たち
との間には、いったいどんな対等性―「お互い様」といえる関係性―があるのでしょうか?そんなものはどこにもないのではないですか?

m_debugger Re: 難しいのですが URL 2009-12-15 (火) 13:48

>ルージュさん

すみません。追記です。

もちろん、日本政府が真の戦後補償を実現することができれば、アジア諸国との「これからの関係を考えてい」けると私も思っています。
ですから、このエントリーでは、「促進法」が真の戦後補償にはならない、ということを言っています。

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