スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Comments:-

Comment Form

Trackback+Pingback:-

TrackBack URL for this entry
http://mdebugger.blog88.fc2.com/tb.php/47-d6d28168
Listed below are links to weblogs that reference
スポンサーサイト from media debugger

Home > スポンサー広告 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (9)

「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (9)

■目次
(1) はじめに
(2) 第二の「国民基金」としての「促進法」
 (2-1) 「促進法」豆知識
 (2-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (2-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (2-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (2-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (2-6) より完璧な「国民基金」への道――(A) 被害国の世論の取り込み
 (2-7) より完璧な「国民基金」への道――(B) 保守・右派の取り込みと「国民基金」関係者との「和解」
 (2-8) より完璧な「国民基金」への道――(C) 戦後補償運動の日本国家への回収の完成
 (2-9) 結論
(3) 「要綱案」とは何か――他者からの呼びかけの無化
 (3-1) 「要綱案」前置き
 (3-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (3-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (3-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (3-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (3-6) アジアの他者を切断する「戦後補償」
 (3-7) 【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見
 (3-8) 【資料2】「戦時性的強制被害者補償要綱(第1次案)」に対する意見書
 (3-9) 【資料3】第二次案の作成のご報告 被害者並びに支援者の皆さんへ


(3) 「要綱案」とは何か――他者からの呼びかけの無化

(3-1) 「要綱案」前置き

 本章では、前章で分析した「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」(以下「促進法」)の根拠法として、「戦後補償問題を考える弁護士連絡協議会」(以下「弁連協」)(▼63)が発表した「戦時性的強制被害者賠償要綱案」(以下「要綱案」)を検討していく。なお、「要綱案」は第一次案が1999年7月に、若干の修正を経て第二次(最終)案が2000年3月に公開された。本稿では第二次案を取り扱うこととする。

 戦時性的強制被害者賠償要綱案
 http://www.news-pj.net/siryou/ianfu/pdf/baishouyoukouan-20070709.pdf

 本章では、「要綱案」が「促進法」と同様に、第二の、そしてより完璧な「国民基金」であることを始めに確認するが、それが本章の主眼ではない。本章の主要な目的は、「要綱案」の作成過程で、「弁連協」に代表される日本の戦後補償運動が、他者からの呼びかけをいかに無化してきたかを明らかにすることにある。そのため、本章第7節では韓国挺身隊問題対策協議会(以下「挺対協」)が、第8節では金昌禄・釜山大学校法科大学助教授(当時)が、「要綱案」(第一次案)をめぐって「弁連協」に寄せた批判(書簡)を、第9節では「弁連協」がその後両者に送った第二次(最終)案およびコメントを公開し、両者の批判の核心を「弁連協」が意図的に無視して、第二次案にほとんどまったく反映させなかったことを実証する。

 反植民地主義闘争としての戦後補償を求める他者からの呼びかけを、戦後補償運動の中核を担う日本の弁護士たちがどのように切り捨てていったのか、以下に見ていくことにしよう。


(3-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし

 繰り返すが、日本軍「慰安婦」問題(性奴隷制)の核心は、それが国際法違反であり、日本政府がそれらの犯罪行為に対して責任を負わなければならないということである(詳しくは第4章で述べる)。ところが、「要綱案」は、日本軍「慰安婦」(性奴隷制)が不法であるという、この問題の本質については一切言及せず、日本政府をもともとの犯罪行為から免責しているのである。それは法案の第一条(目的)を読めば明らかになる。

 「1 目的
 この法律は、国が、第二次世界大戦の戦前戦中期において、旧日本軍の直接的間接的関与により女性に対し軍「慰安婦」等として性的行為を強制したことが当時の文明水準に照らしてもきわめて反人道的な行為であったこと、戦後その被害を放置し続けたことが、日本国憲法の根幹的価値に関わる基本的人権の侵害であったことを認め、これら女性個人(『戦時性的強制被害者』という)に対してこれを謝罪し、賠償することを目的とする。」

 「促進法」の第一条ほどではないにしても、一読しただけではわかりにくいかもしれないので、解説を入れておこう。「要綱案」は、第一に日本軍「慰安婦」が国際法あるいは国内法違反であるとはまったく認めておらず、第二に戦後もその被害を放置し続けたことが国際法上あるいは憲法上違反であるとは一言も述べていない。第2章第2節に倣って、この文章を分解すれば以下のようになる。

 A.日本軍「慰安婦」(性奴隷制)が(国際法違反であるとは言えないまでも)「当時の文明水準に照らしてもきわめて反人道的な行為であったこと」は事実である。

 B.日本政府が「戦後その被害を放置し続けたこと」が(憲法違反であるとは言えないまでも)「日本国憲法の根幹的価値に関わる基本的人権の侵害であったこと」は事実である。

 C.したがって、AおよびBの認識にもとづいて、日本軍「慰安婦」被害者「に対してこれを謝罪し、賠償することを目的とする」。

 ちなみに、前述の比喩を使い回せば、次のような感じになる。

 A’.「私があなたを殴り、あなたの健康が著しく害されたことは(犯罪とは言えないまでも)野蛮な行為であったことは事実である(と認識している)。」

 B’.「私がその後もあなたの健康の回復に役立つ措置を取らなかったことは(私の罪とは言えないまでも)あなたに対する基本的人権の侵害であった(と認識している)。」

 C’.「したがって、私はあなたに対してこれを謝罪し、賠償することにする。」

 ・・・・・・これほど空虚な「謝罪」と「賠償」もないだろう。いったい弁連協は「慰安婦」被害者を何だと思っているのか?第4章で詳述するように、「要綱案」の立論は、1998年4月の関釜裁判判決(以下「下関判決」)の論理に完全に依存しているのだが、下関判決の限界を単に踏襲するだけでなく、それを自ら進んで拡張するという、致命的なものになっている。例えば、この第一条は、「慰安婦制度」が「二〇世紀半ばの文明的水準に照らしても、極めて反人道的かつ醜悪な行為であったことは明白」であるという下関判決の論理を全面的に参照する一方で、下関判決が「慰安婦制度」は「その当時においても、婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約(一九二一年)や、強制労働に関する条約(一九三〇年)上違法の疑いが強い存在」であると指摘した点については、まったく反映していない。

 したがって、本節の結論は以下の通りである。

● (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし


▼63 正確には「弁連協」内のグループである「元『慰安婦』の補償立法を求める弁護団協議会」

Comments:0

Comment Form

Trackback+Pingback:0

TrackBack URL for this entry
http://mdebugger.blog88.fc2.com/tb.php/47-d6d28168
Listed below are links to weblogs that reference
「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (9) from media debugger

Home > 「慰安婦」立法 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (9)

Recent Comments
Recent Trackback
Search
Meta
Links
Feeds

Page Top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。