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Home > スポンサー広告 > 「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (12)

「慰安婦」立法と「国民基金」の連続性を問う (12)

■目次
(1) はじめに
(2) 第二の「国民基金」としての「促進法」
 (2-1) 「促進法」豆知識
 (2-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (2-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (2-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (2-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (2-6) より完璧な「国民基金」への道――(A) 被害国の世論の取り込み
 (2-7) より完璧な「国民基金」への道――(B) 保守・右派の取り込みと「国民基金」関係者との「和解」
 (2-8) より完璧な「国民基金」への道――(C) 戦後補償運動の日本国家への回収の完成
 (2-9) 結論
(3) 「要綱案」とは何か――他者からの呼びかけの無化
 (3-1) 「要綱案」前置き
 (3-2) (b) 罪責を承認したうえでの日本の公式な謝罪――なし
 (3-3) (c) 生存被害者とその家族に対する適切な賠償――不可
 (3-4) (a) この問題に関して日本政府が所持しているすべての記録及び情報の開示――無理
 (3-5) (d) 加害者の処罰――論外
 (3-6) アジアの他者を切断する「戦後補償」
 (3-7) 【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見
 (3-8) 【資料2】「戦時性的強制被害者補償要綱(第1次案)」に対する意見書
 (3-9) 【資料3】第二次案の作成のご報告 被害者並びに支援者の皆さんへ


(3-6) アジアの他者を切断する「戦後補償」

 ところで、「要綱案」も「促進法」と同様に、挺対協や婦援会の「賛同」を取りつけた上で、2000年4月に第二次(最終)案が発表されている。挺対協が「要綱案」の第一次案(1999年7月発表)に批判的な立場を取っていたこと(本章第7節)、「要綱案」が第一次案も第二次案も本質的にはまったく変わっていないこと(本章第9節)を考えれば、挺対協が一転して「賛同」に回ったことは不思議に思えるだろう。けれども、この間、弁連協は「要綱案」を「促進法」の根拠法として明確に位置づけ、それを挺対協らに通告しているのである(本章第9節)。挺対協はこの時点ですでに「促進法」を「歓迎することを決断し」ていた(第2章第6節)のだから、「要綱案」をも「歓迎」せざるをえなかったことは、容易に推測がつく。

 やや余談だが、弁連協が「要綱案」を「促進法」の根拠法として位置づけたのは、それが「要綱案」の実現にとって(対外的にも国内的にも)有利であると判断したからで、もし「促進法」がこの時点で挺対協の支持を取りつけていなければ、「要綱案」推進派と「促進法」推進派との間で「慰安婦」立法における主導権争いが激化していたかもしれない。実際には両者は早期に共犯関係を結ぶことになったが、仮に両者が対立する局面があったとしても、それは「国民基金」的「現実主義」路線を滑走するための方法論をめぐる抗争(単なる内輪揉め)にすぎないのだから、いずれにせよ戦後補償運動の日本国家への回収を早める結果にしかならなかっただろう。

 さて、これまで「要綱案」を批判的に検討してきたが、もっとも重要な点は、私がこれまで展開してきた批判のほとんどは、弁連協にとって実はまったく目新しいものではない、ということである。なぜなら、今から10年以上も前に、弁連協は「要綱案」(第一次案)をめぐって挺対協や金昌禄氏らから直接こうした批判を受けていながら、まったくと言ってよいほどそれを第二次(最終)案に反映させなかったのだから。弁連協がアジアの他者からの批判を見事に切り捨て、さらには挺対協の批判そのものをアリバイとして利用しさえすることで、この間の運動を進めてきたという事実は、徹底的に周知されてしかるべきだと思う。

 それでは、次節から3回にわたって、弁連協が「要綱案」の作成過程で他者からの呼びかけをいかに無化してきたかを検証してみよう。弁連協が戦後補償運動を「理念」と「政策課題」の二項対立として捉え、<外>からの批判を「理念」にすぎないとして一方的に切断して、<内>の論理=「国民基金」的「現実主義」の全面肯定に居直り続けていることを明らかにしたい。もちろん、この指摘は、「慰安婦」立法の本質を知りながら、それを支持している、その他の「戦後補償」運動関係者に対しても当てはまる。

 本稿で公開する資料は以下の通りである。いずれも貴重な文書であるので、少々長いが、ぜひ全文をご覧いただきたい。なお、公開にあたっては、誤字・脱字・誤訳を訂正し、一部漢字を日本語(の一般的な)表記に改めた。また、便宜のため文中には注釈を多用した。

●【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見(第7節)
 挺対協が「要綱案」(第一次案)をめぐって弁連協に寄せた批判

●【資料2】「戦時性的強制被害者補償要綱(第1次案)」に対する意見書(第8節)
 金昌禄・釜山大学校法科大学助教授(当時)が「要綱案」(第一次案)をめぐって弁連協に寄せた批判

●【資料3】「第二次案の作成のご報告 被害者並びに支援者の皆さんへ」(第9節)
 弁連協が関係者に送付した「要綱案」第二次(最終)案およびコメント


(3-7) 【資料1】戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見

戦時性的強制被害者補償要綱に対する意見

韓国挺身隊問題対策協議会

 先日お送りいただいた「戦時性的強制被害者補償要綱」案(▼66)に対し、韓国は6人の弁護士、学者の意見をまとめて以下のようにお送りします。

 まず、6人の専門家の意見は二つに分けることができます。第一に、補償要綱を補完することとして、明らかに補償ではなく賠償の次元で接近しなければならない(▼67)という意見です。第二に、補償要綱の目的を、新しい権利の創出ではなく、国際法的な根拠によるものとしなければならないという意見です。

 様々な内容がありますが、可能な限り整理してお送りします。参考にしていただけたら幸いです。金昌禄教授はすでに意見書をお送りしたとのことですのでここでは省きました。

第一条 目的

1)謝罪の具体的な内容と方法が含まれねばならない。また、賠償でなければならない。(▼68)
2)日本国憲法の価値よりは国際法に依拠した普遍的な価値を追求しなければならず、そこから出発するべきである。(▼69)
3)以下の内容を修正および追加することを提案
 性的行為を強制し → 性的奴隷化を通して生存が不可能な状況を強要し、早期死亡、重い疾病等の状態に至らしめ、正常な社会生活を営むことを不可能なものとするなどの人道に対する罪を犯し(▼69)
 戦後その被害を放置したこと → 同時に戦後日本国が国際法と国内法によって法律的に負わされた犯罪者の処罰および賠償などの責任を遂行することを怠り(▼70)
 日本国憲法の根幹的価値に関わる基本的人権の侵害であったと認定し → 国際法および日本国憲法に対する違反行為であることを認定し(▼69)
 これら女性に対し → 被害者に対し
 謝罪し補償することを → 責任者の処罰を賠償を含めた国際法と憲法が求める法律上の責任を遂行することを(▼70)

第二条 戦時性的強制被害者

1)新しい名称よりは日本軍制奴隷、日本軍慰安婦という言葉の方がより適切であり、(▼71)
2)性的奴隷制を法律的に明らかに強調しなければならない理由は、人道に対する罪、戦時女性に対する重大な人権侵害としての犯罪に該当するためである。(▼69)
3)対象地域を、内閣総理大臣が指定するよりも、独立した機構が指定するべきである。(▼71)
4)法律によって恣意的に運営される可能性を遮断するために、義務条項として被害国団体の意見を聞くようにするべきである。(▼71)
5)被害者代表との合意の下に、国連人権機構、または国連人権高等弁務官、あるいは国際法の専門家など客観的地位の者を含めた日本政府、第三者専門家、被害者の三者構造的委員会を設置し、被害者の範囲を決定することが望ましい。(▼71)

第三条 補償

1)被害者の範囲を1993年日本政府報告書発表以後の生存者と遺族に限るよりは、被害当事者の意見が最も強く反映されなければならない。
2)より重要なことは、放置され続けたことに対する責任ではなく、性的強制被害自体であるから、賠償等の措置が取られなければならない。(▼72)
3)補償だけではない責任者処罰、謝罪、記念館設置等が含まれなければならない。(▼73)
4)集団的賠償として病院、療養施設、無委託住居施設等の領域が含まれなければならない。(▼74)
5)補償金額と方法は、とりあえず被害形態に即して一括で基本金額を支給することとし、個々人の事情に沿って追加的な措置を取ることが望ましい。(▼75)

第四条 補償委員会

1)補償委員会は、真相調査活動も並行しなければならず、その名称も、真相究明・補償委員会に変更するべきである。(▼71)
2)委員会の構成は、被害者との合意に基づく第三者構造的委員会が妥当であり、調査のための申請は個人およびNGO等の団体が代行できるものとする。
:委員会の職権による探知も可能とし、具体的な公開および処理については当事者の明確な同意を必要とする。
:被害の立証責任において当事者がおおよその状況を含め一連の証拠を提出すれば、申請人の資格が与えられるものとし、日本政府がこれを受け入れない場合、具体的な反証を提示しなければならないものとして、立証責任の転換を規定することが望ましい。(▼76)
3)委員会は、被害者団体の意見を最大限に聴取しなければならない。(▼71)
4)マクドウガル報告書(1998)65項は、「国連人権高等弁務官は日本政府と共に国内外の指導級人士で構成された委員会を作らねばならず、そこには金銭的賠償が適切かつ迅速に提供されるように賠償計画を立てることができる権限が与えられなければならない」と勧告している。従って国際賠償委員会を構成し、これを通して日本は賠償金を支給するようにしなければならない。(▼71)

 以上は、金昌禄教授(釜山大学法学部)、チョウ・シヒョン教授(チョンシン女子大学法学部)、ホン・ソンピル教授(梨花女子大学法学部)、朴チャンウン弁護士、張ワンイク弁護士らの意見を整理したものです。


▼66 「要綱案」第一次案は「戦時性的強制被害者補償要綱(案)」として1999年7月に発表され、「慰安婦」裁判の原告や被害者支援団体などに送られた。以下に、第一次案発表時の前文(末尾の「元『慰安婦』の補償立法を求める弁護団協議会」の連絡先を除く)を、【資料4】として公開する。なお、ここに示されている論理の問題点については、第9節でまとめて取り上げる。

【資料4】要綱(第一次案)発表時 前文

要綱(第一次案)発表時 前文

弁護団から原告(被害者)並びに支援者の皆さんへ!

 1999年1月21日、元『慰安婦』の被害回復を求める訴訟を行っている七つの弁護団が集まって、「元『慰安婦』の補償立法を求める弁護団協議会」を作りました。前の年4月27日に出された、山口地裁下関支部判決(以後下関判決といいます)に触発されて、元『慰安婦』の被害回復を図るための立法的解決の案を模索してみようとの趣旨です。

 ここに提案する「戦時性的強制被害者補償要綱(案)」(以後単に要綱案といいます)は、この弁護団協議会に参加した弁護団の討議の結果を現時点での第一次案としてまとめたものです。

 下関判決は、元『慰安婦』に対する被害回復のための立法を行うことが、国の憲法上の義務であると判示しています。要綱案は、下関判決が提示した立法をするときの要件を充足することを主眼としています。元『慰安婦』の方々の被害を回復する措置としては、賠償金の支払い、原状回復、公式謝罪、医療費・生活福祉費等の支給、教育普及活動等々があります。要綱案は、この内、補償金の支払いを中心とし、且つ一時金として支払う方式を採用しました。つまり、被害回復措置の中での一つの措置について提案するものであって、その他の被害回復措置を排除する趣旨ではないことを特に強調しておきます。

 ここに提案する要綱案は、弁護士レベルでの討議結果であり、原告(被害者)である依頼者との打ち合わせのための叩き台にすぎません。それ故、第一次案とします。これから、世界各国の被害者同士が合意できる要綱を作り上げるための第一歩となれば幸いです。

 被害者の活動を支援する人々や団体、この問題に関心を持つ方々の意見も十分に参考にしていきたいと思いますので、ご意見をお寄せ下さることを期待しています。

1999年7月 日
「元『慰安婦』の補償立法を求める弁護団協議会」
座長 藍谷邦雄

協議会参加弁護団一覧

・釜山従軍慰安婦・女子挺身隊公式謝罪請求弁護団
・フィリピン「従軍慰安婦」国家賠償請求訴訟弁護団
・在日元「慰安婦」謝罪賠償請求訴訟弁護団
・オランダ元捕虜・民間抑留者損害賠償請求弁護団
・中国人元「慰安婦」国家賠償請求訴訟弁護団
・中国山西省性暴力被害者損害賠償等請求訴訟弁護団
・台湾「慰安婦」賠償請求弁護団
(以上提訴順)

[討議参加弁護士名]

藍谷 邦雄
大森 典子
小野美奈子
川口 和子
清井 礼司
菅沼 友子
鈴木 五十三
三木恵美子
山本 晴太 (以上50音順)


▼67 国家の適法行為によって生じた損害に対して償う行為が補償であり、国家の違法行為によって生じた損害に対して償う行為が賠償である、という定義による。

▼68 「要綱案」には実質的に反映されていない。第一に、「要綱案」の「謝罪」の内実は空虚である。第二に、「要綱案」第二次案では第一次案の「補償」という文言がすべて「賠償」に変更されたが、依然として日本軍「慰安婦」問題(性奴隷制)が国際法上違法であるという立場を取っていない(本章第2節)。後者が挺協対らの要求を受け入れた本質的な変更ではなく、その要求を取り入れたように見せかける皮相的な手直しにすぎず、かえって挺協対らを利用したアリバイ作りとして機能していることを指摘しておく(もっとも、アリバイとしてもたいして出来がよくないが)。

▼69 「要綱案」には反映されていない(本章第2節)。

▼70 「要綱案」には反映されていない(本章第2節および第5節)。

▼71 「要綱案」には反映されていない(本章第4節)。

▼72 「要綱案」には反映されていない。「要綱案」第二次案では、被害者の範囲は、日本政府による「慰安婦」問題の(第二次)調査報告(「いわゆる従軍慰安婦問題について」)が公表された1993年8月4日時点の生存者と遺族から、1990年6月6日時点の生存者と遺族へと拡大されたが、この変更は「要綱案」が「性的強制被害自体」に対する日本政府の法的責任を解除していることと表裏一体である(本章第3節)。

 内閣官房内閣外政審議室:「いわゆる従軍慰安婦について」
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/pdfs/im_050804.pdf

▼73 「要綱案」には反映されていない。ただし、真相究明を含む不可欠な措置を回避するための手段として「記念館設置等」が進められる可能性はあるだろう(本章第4節および第5節)。

▼74 「要綱案」には反映されていない(本章第3節)。

▼75 「要綱案」には反映されていない。「要綱案」は「一時金」の支給にあたって「運用による弾力性をもたせ」ようとしているが、それは被害当事者の意思を尊重するためというより日本国家の意思を貫徹させるためである(本章第4節)。

▼76 「要綱案」にはほとんど反映されていない(本章第4節)。弁連協のコメントには以下のようにあるので、「調査のための申請は個人およびNGO等の団体が代行できるものとする」という要求のみ取り入れられているようである。

 「⑥行政委員会規則か法律事項か

 申請権者、申請手続等を法律事項とするか行政委員会規則とする。考慮の余地ある問題であるが、ある程度の要件は法律事項とするのが望ましい。その場合の要件として必要なものは以下のような事項がある。

 ・個人からの申請を要件とするか、或いは委員会の職権探知とするか、議論のあるところだが、前者とすべき。個人の意思は常に尊重すべきだからである。
 ・その場合でもNGOの代理を可能なものとする必要がある。
 ・公知の被害者には職権も可とすべき場合もあるが、政府に周知する義務を負わせ一般的な職権探知は不可とすべきである。」

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